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★ ロルフメソッド ★

Structural Integration(構造統合)

1、ロルフメソッド

ロルフメソッドとは、アメリカ人の アイダ・ロルフ女史 によりそのアイデアが具現化された手技療法です。
レシピと呼ばれている原則10回のセッションにより、身体全身の骨格や筋肉等をに対して 構造の統合 を図り、パフォーマンスのアップを目指しますが、この手順は非常に深く考えられており、色々な工夫が盛り込まれています。
もし自己流で行った場合に比べて、格段に効果が得られる様に構成されています。
この下に10回のレシピを載せていますが、1例を挙げると、上半身と下半身を交互に施術しながら、徐々に表層から深層へと入って行くことで、効率よく全身の構造統合が図れます。
そして、ロルフメソッドの手技療法としての特徴は、筋膜への施術を多用していることです。
筋膜への施術がパフォーマンスのアップに資することについて、このページの以下でその理由を述べています。
  4、統合を促すアプローチ >  A、筋膜への施術における解剖学的なメカニズム
また、同じ手技療法であっても、治療の場合は何かの疾病に対して改善を図るのに対し、ロルフメソッドはパフォーマンスのアップを意図している訳ですが、やり方によっては治療的要素を加味することも可能です。

2、10回のレシピ

回数 大凡のテーマ 急所となる、筋肉、筋膜、エリア 分類 注釈
1 回目 呼吸、骨盤の改善 浅胸筋膜、鎖骨胸筋筋膜、胸腰筋膜、大腿筋膜 表層・上半身
2 回目 脚部(足首)の調整 足筋膜 表層・下半身
3 回目 側面から見た前後のバランス 広背筋、胸腰筋膜 表層・上半身
4 回目 脚の内側のバランス 内転筋、内転筋群の腱停止部 深層・下半身
5 回目 骨盤前側、大腰筋の調整 腹直筋、大腰筋 深層・上半身
6 回目 骨盤後面、仙骨、背中の調整 胸腰筋膜の腱集合部 深層・下半身
7 回目 頭部の位置の調整 頭部、頚部 深層・上半身
8 回目 下半身の最終調整
9 回目 上半身の最終調整
10回目 全身の最終調整
10回の手順で特徴的な要素は、上半身と下半身を交互に施術しながら、表層から深層へと入って行くことであり、全体が1つのパッケージとしてデザインされていることが窺えます。
各回はそれぞれ固有のテーマを持っていると同時に、次のテーマの下準備的な要素も加味されている場合があります。
【 例 】
・1回目は2回目の下準備の要素があります
・3、4、5回目は6回目の下準備の要素があります

3、構造統合(Structural Integration)とは

・身体のおける、構造統合の意味

冒頭で、ロルフメソッドは治療と言うより、10回のセッションにより全身の構造統合を図り、パフォーマンスのアップを目指しているとお伝えしましたが、アイダ・ロルフはこの手技療法を、ストラクチュアル・インテグレーション (構造統合) と呼んでいました。
では、『 構造統合 』 とは、身体において、どの様な状態を具体的に指しているのでしょうか?
骨格と筋肉、骨と骨を繋ぐ靱帯、これらの3種類のパーツにより考えてみましょう。
先ず、人間の身体は骨格で支えられており、骨格は複数の骨から構成され、複数の骨は靱帯と呼ばれる柔軟性を有する組織で結ばれており、各々の骨は動くことが可能です。
そして、各々の骨は収縮可能な筋肉で結ばれており、脳からの指令で筋肉は収縮し、働くことが可能な訳です。
骨格と筋肉は、最もスムーズに活動が可能な様に本来の位置が(神により)想定されていますが、歪み等で変位してしまう場合が多々あり、これらを本来の位置に戻すことで構造は統合されると考えます。
このことを、アイダ・ロルフの逸話を基にして、具体的に示します。
( 以下は、『 アイダ・ロルフ博士 』 にて記述の内容を、前後の文脈に合わせて要約しています )
【逸話】
アイダ・ロルフは、怪我でピアノが弾けなくなった音楽教師に対して、『 筋肉を構造的に捉え、そのポジションを本来の場所に修正する 』と言う従来とは異なる概念で回復させたことにより、構造統合の概念が生まれました。
【具体的に説明すると】
腕における肩から肘の主要な筋肉は、前側が上腕二頭筋であり、後ろ側が上腕三頭筋になります。
例えば、上腕二頭筋に痛みが発生してピアノが弾けなくなったとしましょう、オステオパシーやカイロプラクティックでは痛みが発生している部分に対して、治癒エネルギーを誘い、改善を意図します。
(オステオパシーではブレスオブライフ、カイロプラクティックではユニバーサルインテリジェント)
それに対してアイダ・ロルフは、痛みの発生の原因の1つは上腕二頭筋が本来の場所から変位した為であると考え、本来の場所に戻すことにより音楽教師はピアノが弾けるようになり、構造統合の概念が生まれた訳です。

4、構造統合を促すアプローチ

ここまでロルフメソッドにおける構造統合についてお伝えしましたが、ロルフメソッドは手技療法であり、これらを手技により具現化する訳で、そこには色々な要素がありますが、ここでは以下に3つの要素をお伝えします。

@、10回のレシピの構造的な作用

上に10回のレシピを示しましたが、ここに示されている手順は非常に深く考えて構成されており、これらに従ってセッションを行うことにより、無理なく自然に統合が行われます。
同時に、人間の行うことですので、施術者のキャラクターによる違いは発生します。
また、ロルフメソッドの教育機関も世界中に幾つもあり、これらによる微妙な違いも発生します。
にも拘らず、 『 レシピ 』 が形作られた1950年代より現在までロルフメソッドが生命を持ち続けていることは、レシピの有効性の一端を示しているの様に私には感じられます。

A、筋膜への施術における解剖学的なメカニズム

ロルフメソッドの特徴として、冒頭でお伝えした様に、筋膜へのアプローチの多様が挙げられますが、筋膜に対する施術により、構造統合に必要な筋肉や骨の位置の修正が可能であり、そのメカニズムを以下に説明します。
右の図は、関節における、左右2ヶの骨、及び筋肉、それらに付随する筋膜、腱、靱帯、を示しています。
筋膜(a)ですが、図に示す通り筋繊維を包み、その端は腱(b)になり、右側の骨の骨膜(d)に付着しています。
靱帯(c)ですが、左右の骨の骨膜(d)に付着することで位置が保持されており、同時に関節の可動域を定めています。
そして、これらの筋膜(a)、腱(b)、靱帯(c)、骨膜(d)は全て結合組織であり、場所によって名称が変化しています。
言い換えると、結合組織が場所によって名称を変えながら、筋膜、腱、骨膜、靱帯、骨膜、と繋がっている訳です。
従って、筋膜に対する適切な施術を行う事による治癒反応は、筋膜、腱、骨膜、靱帯、骨膜、と伝わり、複数の組織により構成されたエリア全体として、歪みが解放されます。
もし、筋繊維に施術を行っても、筋繊維と結合組織は異なる組織の為、この様な広がりのある効果は望めません。
従い、筋膜に対する適切な施術により、筋肉及び骨、靱帯で構成されている関節、等々の歪みをエリアとして解放することが可能になり、結果としてこれらのパーツを本来の位置に戻す効果があります。
但し、以下の条件が要求され、これらを満たしていればいる程、効果はアップします。
a、筋膜のみへの施術であること
施術による働きかけが筋膜のみに留まらずに筋繊維まで及んでしまうと、治癒エネルギーは筋繊維の開放にも使われると同時に、異なる組織をかき混ぜることにも作用し、筋膜、腱、骨膜、靱帯、骨膜、と伝わる効果はかなり減少します。
b、筋膜、腱、骨膜、靱帯、骨膜、と効果が伝わり、歪みが開放されて行くことを施術者が知覚出来ること
治癒エネルギーが伝播し、治癒反応が広がって行くことを知覚出来れば出来るほど、施術における指のベクトル等の効果的で微妙な操作が可能になり、より広いエリア、より深い部位に治癒反応を促すことが出来ます。
因みに、腱や骨膜、靱帯に特に強い歪みがあると、治癒反応の伝播はその部位で停滞しますが、停滞についても知覚可能であり、知覚が正確であればあるほど歪みの特定は正確となり、これらの歪みに対する施術も、物理的に正確であればあるほど効果はアップします。
【参考】、同じ結合組織から成る、腱や靱帯、骨膜に施術しても同様な効果が得られるのでしょうか?
腱や靱帯、骨膜に対する施術では、筋膜に比べて微妙な操作が難しく、治癒反応の広がりを得る為には、筋膜への施術が圧倒的に有利になります。

B、頭蓋リズム、及びモティリティの活用

以上、アイダロルフの残したレシピの施術としての哲学的な有効性、及び、筋膜に対する施術の具体的な有効性についてお伝えしましたが、当方はロルフメソッド以外に、オステオパシーでの施術である 頭蓋仙骨治療内臓マニュピレーション も行っており、また頭蓋及び内臓に関する ワークショップ も主宰しています。
これらのテクニックはロルフメソッドに於いても応用が可能で、以下お伝えします。
頭蓋を含む全身の骨格系、及び内臓を含む全身のパーツには、ともに0.01mmレベルの周期期的な動きがあり、これらは頭蓋リズム(8〜12回/分)、モティリティ(7〜8回/分)と呼ばれています。
これらの周期的な動きは、健全であればバランスの取れた生命力を感じさせる動きですが、何処かに不調があると、アンバランスで生命力の乏しい動きになってしまいます。
頭蓋仙骨治療、及び内臓マニュピレーションは、これらの周期的な動きのバランスの改善を指標にして治療を行います。
ロルフメソッドにおいても、こららの周期期的な動きは指標として活用が可能です。
ここまでお伝えした通り、全身の統合とは、筋肉及び骨を本来の無理のない位置に戻すことであり、もし筋肉や骨の位置に無理があると、頭蓋リズムやモティリティの周期的な動きにもアンバランスが現れます。
これらの知覚により施術の必要な部位を見つけることが出来ますので、そこに施術を行います。
頭蓋リズム及びモティリティについては、治療の共通概念 にて簡潔に述べると同時に、頭蓋仙骨治療 U ( エネルギー的側面について:Ver2) ではより詳しく述べています。
頭蓋リズム及びモティリティは、頭蓋仙骨治療U(エネルギー的側面について:Ver2) で詳しく述べています
項目 内容
4、頭蓋リズムの存在 ブレスオブライフ、及びモティリティについて詳しく述べています
5、頭蓋リズムの知覚 頭蓋リズムを知覚するにあたっての、重要な7つの要素について、述べています
補足1、バラル、VMP-その1 『 内臓マニュピレーション 』 の抜粋のダイジェスト、ジムジェラスのコメント
補足2、バラル、VMP-その2 『 内臓マニュピレーション 』 の抜粋全文、それに対する三谷のコメント

5、10回の意義

・全身を適度な期間で認識(クライアントさんにとって)

これまで、ロルフメソッドの施術者として色々な方にセッションを行って来ましたが、ロルフメソッドに対してどの様な価値を見出すかは本当に人それぞれでした。
堅気の会社員を辞めて、クリエイティブな生き方にシフトする機会に来てくれた方も居れば、雑誌やネットでロルフメソッドの評判を知り来てくれた方も居ますし、紹介で来てくれた方も大勢居ました。
それらを踏まえて、現時点で私が思う事は、ご自分の身体の全体性を、数か月と言う期間で認識が出来る、と言う点にあるような気がしています。
この時、10回と言う回数は絶妙で、身体に対する集中力を維持した状態でワンセットを終えることが可能な様です。
極端な例ですが、例えば20回ですと集中力が続かない様です。

・限られた枠内での創造性(施術者にとって)

開業当初はロルフメソッド専業の感じがありましたが、色々と試行錯誤、施術の研究を繰り返すうちに、治療に関する色々なノウハウが蓄積されて来ました。
例えば、足(足首から下)に関してはマニアックに調整を行うのであれば、ゆうに数十回分のノウハウがあり、膝についても10回以上、股関節についても10回以上のノウハウがあります。
呼吸の改善をマニアックに追求すれば、やはり数十回以上のノウハウがあります。
その様な中で、全身を対象にして10回と言う回数( 数回程度増える可能性があり、この下の『 回数 』 に記述しています )を定めることで、取捨選択が必要になり、クリエイティブな施術に繋がります。
私は、趣味レベルですがオーディオのスピーカーの設計の経験もあり、制約を設けることによる良さを経験しています。
例えば、仕事場で使っているスピーカーは自作ですが、開業に当たり、元々オーディオマニアだったこともあり、仕事場に合わせたベストなものを製作しようと思いました。
使用する合板の規格は畳1枚分が標準であり、畳1枚の合板を使い切ると言う制約を設けて設計に取り掛かりましたが、ああでも無い、こうでも無い、と相当に頭を捻り、実に楽しい作業でした。

6、歩き方

・歩行の意義

歩き方については、構造統合の視点で考えると、可能な限り色々な筋肉が働いている歩き方がベターになります。
歩行は自分の意志で変えられる部分も多いですが、歪み等で関節の可動範囲に制約があったり、筋肉に拘縮があると自分の意思では如何ともし難く、この制約に対して自力での克服は困難でしょう。
そこで、セッションの前後で歩き方を目視で確認し、レシピの手順も加味しながら、制約のある部位の解放を図ります。
制約が解放されれば、歩いていて自然に色々な筋肉が動き出しますが、同時に統合された歩き方の意図を持つことで、色々な筋肉が働く歩き方を身体が覚え、より定着が図られます。
統合された歩き方の意図については、判り易い3つのアドヴァイスを差し上げています。
歩き方につきましては、 【補足】 > 『 歩き方について 』 でも、具体的にお伝えしています。

・水平展開

このことは、ロルフメソッド全体の意図を現しており、身体が施術により統合された、言い換えると、パフォーマンスがアップした場合、そのメリットを日常生活の中で活かすことで、統合された状態がより定着します。
例えば、元々、うつむき加減で歩く癖があったとしましょう、セッションで胸が開いて姿勢が良くなったとして、しかし、従来の癖のままで歩いていると折角の効果が戻り易い訳です、ロルフメソッドを受けることを機会にして、従来のパターンを変えることが出来ると、素晴らしいですよね!!

7、回数、間隔、費用、服装

・回数について

極力10回のセッションで統合が得られる様に工夫しますが、場合によっては数回程度の追加を提案させて頂く場合も想定されます。
最も追加の可能性が考えられるのは、2回目のセッションで、足根骨等の足の骨格に大きな歪みがある場合、足は土台としての機能を有する為、足の歪みは全身に反映され易く、1〜2回の追加を入れる方が望ましい場合があります。
いずれにしましても、その場合は状況をお伝えして、了解の元に進めさせて頂きます。

・間隔について

基本は1〜2週間に1回になりますが、当初の数回は毎週で、中盤に差し掛かると隔週、最後の方は2〜3週の間隔をあけるくらいが最もバランスが良く感じられます。

・予算について

10回で終了になれば15万円、数回の追加が発生したとしても、20万円未満で収まるように工夫します。
お支払いは、毎回でお願いします。

・受ける時の服装について

男性はブリーフ等の肌の露出した服装、女性はスパッツとスポーツブラ等が望ましいです。
構造の統合の度合いは、姿勢や歩き方に現れますので、姿勢と歩き方のチェックを毎回セッションの前後で行います。
姿勢や歩行のチェック時に上記服装が望ましいのですが、本件については変更も可能です。
例えば、チェックの時のみ上記服装で施術中はTシャツ等の着用、すべてTシャツ着用、等々、要望があれば相談して頂ければと考えています。
当方、目視以外にも、色々な知覚を総動員してセッションを行っており、上記服装以外でも対応は可能です。、
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