★ 発達障害の治療 ★
 2016/10/8 新規アップしました
発達障害の治療について、私の考えを少し詳しく記述しています
( 治療に対する私の考え方、ポリシー、等々を感じて頂ければ十分だと考えております )
SUMMARY(要約)
1、 頭蓋骨及び骨盤を開放することにより、脳の神経系が成長・発達出来るスペースを作ります
(『 頭蓋仙骨治T、療物理的側面について 』 及び『 ロルフメソッド・プラス 』 の応用になります)
2、 脳の神経系に働きかけて発達を促します
(『 頭蓋仙骨治療U、エネルギー的側面について 』 の応用、プラスαになります)
3、 効果としては、脳の神経系の成長・発達に伴い、様々な症状に対して少しずつ改善が現れる感じです
1、発達障害とは
発達障害と呼ばれている障害があります。
症状としては、『 知的な発達には遅れが無いにもかかわらず、特定のパターンでの学習や行動について困難性があり、集団での行動で問題に起こしてしまう 』 と言うようなケースを指します。
障害がある場合、一般的に5〜6歳前後で他の子どもとの違いが表面化し、判明する様です。
障害の症状は多岐に渡りますが、大きく分けて以下の3タイプに分類されます。
( 上記の3タイプに付きまして、このページの下の 補足 でもう少し詳しく説明しています )
 ・読み書き計算等に困難性を示す(事例1)、動作が緩慢、指示をテキパキとこなせない、等々LD(学習障害)
 ・異様に落ち着きがない、制止しても動き回ってしまう、整理整頓が苦手、等々ADHD(注意欠陥多動性障害)
 ・空気が読めない、コミュニケーションが苦手、拘りが強い、等々高機能PDD(高機能汎用性発達障害)
発達障害の例として、事例1に 『 読み書き計算等に困難性を示す 』 を挙げましたが、もし、知的障害があっても同様な困難性が発生します。
と言いますか、この様なケースでは、先ず知的な障害が疑われるでしょう。
しかし、知的な障害が発生していれば、最初にお伝えした 『 特定のパターンでの困難性 』 に留まらず、色々なところで困難が発生すると思われます。
従い、知的レベルはある程度を有するにも拘らず、特定のパターンで困難性を示す場合、発達障害が疑われます。 ( この為、『 怠けている 』、『 躾が出来ていない 』、等々の誤解を受け易い )
では、どうしてこの様な障害が起きるのでしょうか?
2、発達障害に対する考察、及び治療の方向性
発達障害の原因については諸説あり、生まれながらの脳の機能障害や、原因不明、等々あるようですが、ここでは、幼年期から成人になるまでの過程に於ける、頭蓋骨と脳の、成長・発達のアンバランスと言う視点から考えてみます。
そして、その視点による治療の方向性が見えて来ます。
人間は、なにも出来ない幼児の状態から、成長・発達することで、色々なことを理解し、社会性を身につけ、様々なことが出来るようになって行きます。
そこにおいて、大雑把ですが、脳の働きを2つに分けて考えてみます。
・ 生きて行く上で、価値判断や思いを巡らせること:『 知的要素 』
・ 様々な場面で、状況を認知し、行動として物事を処理すること:『 機能的要素 』
この様に分けるのは、脳科学の知見により、これら2つの要素は脳の異なる部位で処理されていると考えられるからであり、更に機能的要素についても、個々の要素は脳の異なる部位が受け持っていることが判って来つつあります。
要するに、冒頭の表に中に示した、『 読み書き計算等に困難性を示す 』 や『 動作が緩慢 』 『 制止が利かずに動き回ってしまう 』、等々の事例は、それぞれ、脳の違う部位で処理されている訳です。
従い、『 知的レベルは有る程度にも拘らず、特定のパターンで学習や行動について困難性がある 』
と言う現象は、この特定のパターンにおける、認知から行動までの情報処理や指令を行う脳の部位に、何等かの障害が発生し、それが原因となって困難性として現れている可能性が考えられます。
ここで、幼児の頭蓋骨と、成人の頭蓋骨を比較してみましょう。
頭蓋骨は、合計23個の骨片より寄木細工の様に構成され、右の図は、判りやすい様に個々の骨片を色分けして表示しています。
また、幼児と成人の縮尺についても、概ね正確に現しています。
図から判る通り、骨により成長の比率は異なり、容積率で見ると、少ない部分でも4倍程度、大きい部分は25倍程度の成長が見られます。
もし、幼児からの成長・発達において、脳に比べて頭蓋骨の成長・発達が追い着かない場合、何等かの制約が発生し、それが障害になることは容易に想像されると思います。
そして、実際に発達障害のお子さんの頭蓋を触診しますと、特定の骨片が内側に引き込まれるように入り込むと同時に全体が歪んでいたり、脳脊髄液の循環に伴う微細な動きに乱れが発生しているケースが多いのです。
( 脳脊髄液の循環に伴うな動きにつきましては、頭蓋仙骨治療 に詳述しています ) これらにより、以下に示す治療の方向性が見えて来ます。
@、引き込まれている骨に対して
骨の引き込まれは、直接的に脳の成長・発達を阻害する要因になっていることが懸念され、この症状が発生している場合は先ず対処が必要です。
( 骨の引き込まれについての考察を、『 引き込まれた骨の開放 』 として、この下に図を交えて詳述しています )
引き込まれの原因ですが、頭蓋の歪み、場合によっては頭蓋から脊柱、骨盤までの骨格系の歪みや捻れにより、通常では発生しない応力が発生し、この応力で引き込まれていることが考えられます。
頭蓋仙骨治療、及び、ロルフメソッド・プラス、等の応用により、治療が可能です。
A、頭蓋骨の成長・発達に対して
前述した通り、各々の骨は、それぞれの比率での成長・発達をします。
頭蓋は寄木細工の様に構成されており、引き込まれている骨の有無に関わらず、頭蓋全体の成長・発達にアンバランスが発生し、脳の成長・発達を阻害する要因になっている可能性があります。
( アンバランスについての考察を、『 頭蓋全体の開放 』 として、この下に図を交えて詳述しています )
頭蓋骨の隣り合う骨同士は、縫合結合と呼ばれる繊維性の結合組織で繋がっており、この縫合結合の必要な部位を緩めることで頭蓋のアンバランスを解消し、良好なバランスを回復することが可能です。
因みに、ロルフメソッド では、この様なアプローチに対して、『 スペースを作る 』 と表現しています。
成長とか治癒の為には、個々の組織の細胞が分裂して容積が増えるための空間が必要で、この空間のことをスペースと表現しています。
B、脳・神経系の今後の成長・発達に対して
上記、@、Aにより脳の発達を阻害している部分的且つ直接的な要因と、全体的な要因が改善されたとして、脳そのものの成長・発達を促すアプローチも必要になります。
( 本件、この下にある、『 脳の開放 』 で、もう少し詳しくお伝えしています )
3、引き込まれた骨の開放
治療の方向性 』 で、引き込まれた骨が制約となり、発達を阻害している可能性をお伝えしました。
このケースについて、右側の頭頂骨が入り込んでいる場合を例にして具体的に説明します。
特に問題の無い場合の頭蓋骨 右側の頭頂骨が入り込んでいる場合の頭蓋骨
頭蓋骨は脳脊髄液の循環に伴って、膨張・収縮の動きを繰り返しています。
通例、リズミカルな気持ちの良い動きになっています。
( 本件、詳しくは 頭蓋仙骨治療 を参照下さい ) 
右頭頂骨の入り込みにより、以下の可能性があります
 ・膨張・収縮の動きに対する制限
 ・脳脊髄液の循環に対する制限
 ・脳の特定の部位への圧迫
以下、骨の入り込みが発生した場合の制限について、お伝えします。
・膨張・収縮の動きに対する制限
先ず、患者のコンディションに対する、頭蓋骨の膨張・収縮の一般的な傾向をお伝えします。
私は、頭蓋仙骨治療として数千人の頭蓋を触診しましたが、概ね以下のことが言える様です。
職業、暮らしぶり、思考パターン 頭蓋骨の膨張・収縮の傾向
・自由業の方 大きくてゆったりした気持ちの良い動きが多いです
・強いストレスに晒されている方 膨張・収縮の動きは小さく、制約があり、疲れたような動きが多いです
・アーティスト系の方 ほぼ全員が右側の動きが大きいです(右脳が活性化している)
・定型業務の方 (銀行員とか) 一般的に左側の動きが大きいです(あくまで一般論で例外もあります)
・固定観念に縛られている方 (注釈) ほぼ全員動きが小さいです、制限があり引っ掛かった様な感じを受けます
・事故のダメージを受けている方 ほぼ全員が、歪んだ動きになっています
・生気の乏しい方 ほぼ全員動きが小さいです、膨張・収縮の動きも生気が乏しいです
  (注釈) 例として、『 主人は**あらねばならない 』 『 娘は**あらねばならない 』 等々決めつけの強い方
以上、こんな感じで例を挙げればキリが無いのですが、要するに、心身の色々な状況はかなりストレートに、頭蓋の膨張・収縮の動きに現れます。
思考パターンにより頭蓋が規定されるのか、頭蓋により思考パターンが規定されるのか? 補足を参照下さい )
いずれにしても、小学校低学年のお子さんとかで、膨張・収縮の動きに制限が発生していたら、色々な面で悪影響が発生している事が考えられます。
そして、それは、情緒的な面にまでも、影響を及ぼしている可能性を感じます。
・脳脊髄液の循環に対する制限
脳脊髄液は、硬膜と呼ばれる膜の内側で、脳から中枢神経の周囲を循環している、無色透明のサラサラした液体で、その概念を右の図に示しています。
脳脊髄液の役割りですが、生理的な役割りとして、脳への水分の補給、神経の新陳代謝やホルモンの運搬等を担い、脳から中枢神経の生命を維持する役割りを果たしていると考えられています。
また、物理的な衝撃に対するクッションの役割も担っています。
さて、右の図は、前述した右の頭頂骨が引き込まれ、内側に入り込んだ状態を模式的に示しています。
頭頂骨が入り込むことで、硬膜を圧迫し、脳脊髄液の流れに対しても制約が発生することを、ご理解いただけると思います。
小児期の成長・発達段階で、もし脳にこの様な制約が慢性的に加わった場合、脳の成長・発達に対しても、悪い影響が出る可能性が考えられます。
・脳の特定の部位への圧迫
右の図から、脳の特定の部位への圧迫が起こっている可能性も考えられます。
4、頭蓋全体の開放
頭蓋全体の開放と言う視点で、幼児から大人への頭蓋骨の変化を、少し詳しく見てみましょう。
幼児の頭蓋骨と大人の頭蓋骨を比較した解剖イラストにより、幾つかのことが考えられます。
因みに、このイラストは、幼児と成人の縮尺についても、概ね正確に現しています。
・頭蓋は、脳を格納している部分(楕円状の球体形状)と、それに付随している部分に分けられる
先ず、脳を格納している、楕円状の球体形状について説明します。
頭蓋骨の中心となる骨は、目の奥にある蝶形骨と呼ばれる骨で、左右両端がこめかみの部分に見えています。
その蝶形骨を起点にして、緑色で記入してある楕円に沿って右回りに説明します。蝶形骨の上の額の部分に前頭骨、左右の頭頂骨、後頭部の後頭骨、後頭骨の前側は細くなって前方に伸びて蝶形骨の後ろ側と繋がっており、以上で楕円球体の環状部分を形成しています。
その環状に対して、耳孔を有する側頭骨が、左右から蓋の様に結合し、楕円の球体が構成されています。
この球体に対して、上顎ブロック部分(上顎骨、頬骨、その他)、および下顎がぶら下がるような感じで結合し、頭蓋全体が構成されています。
もう少し細かく見ますと、頭蓋全体の骨の数は合計23個で、楕円球体部分(蝶形骨、前頭骨、左右の頭頂骨、後頭骨、左右の側頭骨)は7個、上顎ブロック部分は15個、そして1個の下顎骨で構成されています。
上顎ブロック部分は、比較的大きな上顎骨と頬骨で左右合計4個、その内側に11個の小さな骨があり、かなり複雑な構造になっています。
発達障害の治療としては、先ず7個の骨より構成された球体構造を緩めることで、脳の成長・発達を促すためのスペースを作ってあげることが必要だと考えています。
・蝶形骨の重要性について
蝶形骨は、球体構造を構成し、同時に頭蓋全体の中で中心に位置することをお伝えしました。
元々、頭蓋仙骨治療(の物理的なアプローチ)では、蝶形骨は最も重要な骨と位置づけられています。
形状的には、蝶(蛾?)が羽根を広げ、足に相当する突起が下側に伸び、位置的には頭蓋の中央で飛翔している感じです。
この様に、蝶形骨は複雑な形状で頭蓋の中心に位置し、同時に多数の骨と結合している構造の為、蝶形骨が歪んだり傾いたりした場合の影響は、他の骨に比べて大きくなります。
・重点的に緩めたい骨について
球体構造に於いて、成長による形状の変化、サイズの増加率は、骨により異なっています。
具体的には、蝶形骨は形状が複雑で変化も大きく、側頭骨も他に比べると形状は複雑で、且つ増加率が大きい感じです。
従い、球体構造を緩めて成長・発達の為の物理的なスペースを作るには、蝶形骨、及び側頭骨を重点的に緩めることが必要になると考えます。
・上顎ブロック部も必要に応じて緩める
上顎ブロック部は、複雑な構造と同時に最も容積増加率の大きい(約25倍)部位で、主に蝶形骨の足に相当する部分を含む色々な部位と結合しています。
この為、上顎ブロック部に制限が発生しますと蝶形骨にも影響が波及していると考えられ、上顎ブロックも緩める必要があると考えます。
・どの様なテクニックで上記の内容を行うのか?
以上、お伝えした内容の施術を効果的に行う為には、それなりのテクニックが必要になります。
同時に、施術は正確性も求められます。
これらの詳細は、『 頭蓋仙骨治療T物理的な側面について 』 を参照下さい。
5、脳の開放
脳の開放については、なかなか説明しづらいものがあります。
頭蓋骨につきまして、『 物理的なスペース 』 と言う概念を説明しました。
脳の開放には、『 エネルギー的なスペース 』 を作ってあげることで、成長・発達を促すことが可能です。
これらに付きましては 『 頭蓋仙骨治療Uエネルギー的な側面について 』 に説明しています、宜しければご覧下さい。
また、上記以外の物理的な要素として、脳脊髄液の循環の促進も、脳の開放に役立つと思われます。
6、全身の骨格との関係
・頭蓋骨と骨盤について
発達障害について、頭蓋骨の制約により脳の発達に障害が出ている場合の治療についてお伝えして来ました。
頭蓋骨の1部の骨が引き込まれたり、頭蓋全体に歪みが発生している原因ですが、頭蓋から脊柱、骨盤までの骨格系に歪みや捻じれがあり、その結果として頭蓋に歪みが現れていることがあります。
右の図を参照しながらもう少し詳しくお伝えします。
頭蓋と骨盤は、脊柱(頚椎、胸椎、腰椎)により直接的に繋がっています。
同時に、構造的に見ると上下対称の位置関係にあり、しばしば頭蓋骨と骨盤が対応する感じで歪みや捻じれが発生しています。
この様な場合、頭蓋の歪みを開放する為には、頭蓋から脊柱、骨盤までのアプローチも必要になります。
・脊柱から骨盤の調整
頭蓋から脊柱、骨盤まの歪みや捻じれを調整する為には、関係する筋肉、筋膜、靭帯、の調整も必要になります。
実際の施術における、これらの影響の割合ですが、大きい順に、 [ 筋膜 > 靭帯 > 筋肉 ]
となっている感じで、特に筋膜の影響が大きいと思われます。
筋膜の歪みの開放につきましては、ロルフメソッド・プラス を参照下さい。
7、効果の現れ方
発達障害について、ここで挙げました原因とマッチする場合、セッションを続けて行く事により、徐々に効果が現れて来ます。
具体的には、様々な症状に対して、少しずつ改善が見られて行く場合が多いです。
これは、脳機能の発達を阻害している要因が徐々に解消され、遅れていた発達が徐々に進んで行くことで改善が現れると考えられます。
但し、発達障害の症状は多岐にわたり、どの症状から改善するかはケースバイケースな感じです。
☆ セッションの受け方の説明は コチラ ☆
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★補足
発達障害は、大きく分けて、LD(学習障害)、ADHD(多動性障害)、高機能PDD、の3つに分類されることを最初にお伝えしました。
ここでは、補足として、発達障害全体をイメージするために、3つのタイプについてもう少し詳しくお伝えします。
因みに、この項の記述は、『 脳からわかる発達障害 (鳥居美雪著:中央法規 )』 を参考にし、部分的に引用をさせて頂いています。
ネット等で調べますと、発達障害は生まれながらの脳の機能障害との記述をしばしば目にします。
この本は、明確な記述はありませんが、生まれながらの脳の機能障害、と言う立場は取って居ない印象を受けます。
いずれにしても、発達障害に対して終始暖かい眼差しで丁寧に記述されていて、私の考える治療とも齟齬が無く読み進めることが出来ました。 
・LD(学習障害)
学習障害とは読んで字のごとく、学習に対しての障害を指します。
学習は、脳の様々な機能を使って行われますので、障害を分類すると多種類に分類も可能ですが、
ここで関係して来る機能としては、大きく以下の3タイプに分類されます。
機能の種類 機能の受け持つ分野
・視覚で認識する機能
( 最も情報量が多い )
・形、大きさ、色、明るさ、質感、位置、運動の方向、等々の情報を扱う
・視覚情報経路は、『 位置(頭頂葉) 』 『 何であるか(側頭葉) 』 で異なる
これは、異なる情報を脳の異なる部位で処理をしている1例
・眼球を適切に動かすことが出来るかも関わって来る
(動かす機能に障害があると、1例として本を読むときに行がずれたりする)
・これらは、学習により獲得され、学習の時期は限られている
(成長発達の限られた次期に学習しないと獲得出来ない)
・聴覚で認識する機能 ・特定の音の聞き分けが出来ない場合がある
・騒がしい環境でも、必要な情報を聞き取れる(選択的注意:左側頭葉)
・感覚性言語野(ウェルニッケ野)は側頭葉
・運動性言語野(ブレーカ野)は前頭葉
・一時的に記憶する機能 ・感覚記憶(秒のオーダー)
・短期記憶(数秒から数分)
・長期記憶
・ワーキングメモリ(課題遂行中に必要な記憶を保持する機能)
一言で学習と言いましても、上記の様な様々な要素が複合して行われており、これらの機能に障害が発生しますと、様々な形をとって、不都合が現れます。
ここでは、『 学習に適した時期は限られている 』 がキーポイントの一つになるかと思います。
 
・ADHD(注意性欠陥多動性障害)
注意性欠陥多動障害とは、注意力散漫でじっとしていられない、抑制が効かず、本人の意思の有無に関わらずに動き回ってしまう、等々の障害を指します。
通例、症状は7歳以前に現れ、中枢神経系に何らかの機能不全があると推定されています。
ADHDの主な症状につきまして、以下の3タイプに大別されます。
主な症状 具体例 : 基本的には、『 行動抑制の傷害 』 になります
・衝動性 ・順番を待つことが困難
・他人を妨害したり、邪魔してしまう
・我慢することが苦手
・他動性 ・手足をそわそわ動かす
・席に座っていられない
・高いところに上ってしまう
・しゃべり過ぎる
・不注意 ・注意を集中し続けることが困難
・課題をやりとげることが困難(反抗的、及び理解不能、ではない)
・物を無くしてしまう
・順序立てることが出来ない
・その他の特徴 ・机の上等を片付けることが出来ない
・刺激の多いところや、集団での行動中に、症状が現れ易い
・これらの結果、非難されたり、きつく注意されたりして、自尊心を傷つけられてしまうケースが多い
前頭葉について
ADHDの原因についてはさまざまな説がありますが、前頭葉が深く関わっているのでは無いか、と言うのが現在の主流になっており、理由として以下のことが挙げられています。
・成長とともに落ち着いて行くケースが1/3程度あり、前頭葉は脳の中で最も成長が遅い領域で、関連付けが可能
(残りの1/3は症状をもちながらもなんとか社会適応、残りの1/3は症状が重くなって適応状態が悪化)
・事故等で前頭葉に損傷を受けると、ADHDと似たような症状になる場合がある
・脳機能を測定できる装置が開発され、ADHDの子供は前頭葉が小さくなっているケースが確認されている
学習障害とADHDの違いについて
ADHDは成長ともに落ち着いて行くケースが1/3程度ありますが、学習障害は成長とともに改善して行くケースは考えづらく、この様な違いがあります。
そしてこのことも、障害となっている脳の部位の発達速度の違いから来ていると考えられます。
・高機能PDD(高機能広汎性発達障害)
学習障害(LD)、ADHD、に次いで、高機能PDD(高機能広汎用性発達障害)を説明します。
これも、やはり、脳の機能障害から発生していると考えられますが、LD、ADHD、に比べると脳のさまざまな機能障害との関係が認められています。
従い、症状もより複雑で広範囲になりますが、高機能PDDの特徴として、次の3つがあります。
高機能PDDの特徴 具体例
・社会性の障害 ・他人と共感することが苦手
・ルール(特に暗黙の)が理解できない
・コミュニケーションの障害 ・言葉の裏側にある意図が理解できない
・相手の言葉を、文字通り(ある種極端に)解釈してしまう
・興味や関心の偏り ・ある特定の対象については興味関心が強い
・自分の興味関心のあるもの以外は極端に興味関心が薄い
・その他の特徴 ・変化に弱い
・感覚(聴覚、味覚、等)に過敏
・フラッシュバックが起こる(上手に忘れることが出来ず、苦痛が続く)
・不器用さがある
高機能PDDは、上記の特徴の項目で2番目に挙げた、コミュニケーションの障害の程度により、自閉症とアスペルガー症候群の2つに分類されます。
. 社会性 コミュニケーション 興味関心の偏り
自閉症 苦手 苦手 偏りが強い
アスペルガー症候群  〃 ある程度可能  〃
これらのことより、自閉症のなかで、言葉を使うことができるものがアスペルガー症候群と考えることも出来ます。
更に、自閉症とアスペルガー症候群の分類については、自閉的な症状の程度による分類も可能です。
重い            自閉的な症状           軽い
自閉症 .    アスペルガー症候群
以上、高機能PDDについて表にまとめながら説明して来ました。
この障害の特徴の一つは、言葉を文字通り解釈してしまうために、他人、及び社会の中でトラブルを起こし易いことにあります。
以下に、しばしば見られるコミュニケーションの実例をお伝えします。
コミュニケーションの例 高機能PDDの対応の1例
お皿を洗っておいて下さいね 箸や茶碗を選別して、お皿のみを洗ってしまう
お鍋を見ていて下さい 焦げ付いているのに、見ている
( 電話で )お母さんは居ますか? ハイ居ます ( と答えてそのまま )
ちょっと待ってて‥‥ 何分間待てば良いのでしょうか?
いかがでしょうか?
確かに文字通り解釈すると、この様な対応になりますが、一般社会の中でこの様な対応を取り続けると、トラブルの原因になってしまうことは容易に想像されます。
LDやADHDが生活や仕事のあるエリアに起きる機能障害なのに対し、高機能PDDは、コミュニケーションと言う、社会生活や対人関係に於いて広い範囲に関係する機能障害と考えられます。
例えば、冒頭に挙げました、『 変化に弱い 』 と言う項目も、社会生活の中で、以下の様な場合が該当し、極端な例はパニックに陥ってしまいます。
 ・新学期が来て、クラス替えが辛い
 ・職場の異動について行けない
 ・上司が変わるとキツイ
 ・環境の変化について行けない
学習障害や他動障害は、例えその障害があっても、生き方を選択し、対人関係を良好に維持することが出来れば、人間らしい人生を送ることが可能でしょう。
それに対して、対人関係の障害は生涯に渡って『 生き辛さ 』 としてつきまとうことになります。
・鶏が先か、卵が先か?
頭蓋の動きの制約と、心身の制約について、関連していることをお伝えして来ました。
ここで以下の疑問が浮かんで来ます。
・頭蓋の動きの制約から心身の制約が発生しているのか?
・心身の制約から頭蓋の動きの制約が発生しているのか?
これについては、『 鶏が先か、卵が先か? 』 と同様で、曰く言い難しの感じです。
いずれにしても、小学校低学年とかのお子さんで膨張・収縮の動きに制限が発生していたら、色々な面で悪影響が発生することは想像に難くない感じです。
そして、成長発達段階でのアンバランスより動きに制約が発生しているとすれば、それが知的精神的な面に対しても制限をかけているで在ろうことは容易に想像されます。