頭蓋仙骨治療 T ( 物理的側面について
 
人間には物理的な面とエネルギー的な面があり、頭蓋から仙骨は、その両面が象徴的に現れていると考えています
では、頭蓋仙骨治療とは何をどの様に治療し、どの様な可能性を持っているのでしょうか?
出来るだけ明快な記述の為に、 物理的側面 と エネルギー的側面 にページを分けてお伝えしています
頭蓋仙骨治療をお伝えするワークショップを、2009年より主宰しています
ワークショップと言う視点からの解説により、
このページとは少し異なった角度から頭蓋仙骨をお伝えするページになっています (2017/9/16更新)
詳しくは、プライベートワークショップ を参照下さい。
頭蓋仙骨治療(頭蓋仙骨療法)とは、手技で頭蓋骨から仙骨までを調整をする手技療法です。
残念なことに、一般的な知名度はそれほど高くはありません。
この治療には、物理的な側面と、エネルギー的な側面があり、ここでは物理的な側面を説明します。
先ず最初に、頭蓋仙骨治療の本質的な意味を理解していただくために、最低限の頭蓋骨や脳の構造、脳脊髄液の循環について記述し、次に実際に私の行っている施術を、『 施術のポリシー 』と題してお伝えします。
以下、構造的なアプローチについて少し詳しくお伝えしますが、この様なアプローチを正確に行うことで、交通事故の後遺症、転倒等による打撲、等々の物理的衝撃による体調不良や不定愁訴も、治療が出来ることをご理解いただけたらと思っています。

★頭蓋は、呼吸のような、膨張・収縮の動きをしています


23ヶの骨より構成され、
寄木細工の様です
継ぎ目の存在に注目ください
これらの継ぎ目より動いています
 1、頭蓋について
頭蓋とは頭部の骨格の総称で、23個の頭蓋骨により寄木細工のように出来ています。
個々の骨は、縫合結合と呼ばれる繊維性の組織で隣り合う骨と繋がっており、この継ぎ目は僅かですが可動性があり、動くことが出来ます。
また、脳は脳脊髄液と呼ばれる液体に浮かんだ状態で、この頭蓋の中に収まっています。
脳脊髄液は血液と同様に、一定のリズムで頭蓋から脊柱の中を循環しており、このリズムに伴い、頭蓋全体が微細な膨張・収縮の動きを繰り返しています。
この動きは、クレニオ・リズム・インパルス ( :CRI )と呼ばれ、動く量は、約 0.01mm( 凡そ紙1枚の厚さ )程度です。
ところが、日々のストレスや交通事故等の衝撃で継目が硬化したり、全体が歪んでしまう事があります。
こうなると、本来はスムーズな膨張・収縮の動きが歪んだ動きとなり、同時に動きの量そのもも小さくなり、疲れやすくなったり、朝起きても疲れが残っていたり、体調不良や不定愁訴の原因になってしまうことがあります。
目の奥にも継目があり、眼窩の部分の硬化は慢性的な眼精疲労の原因となり易いです。
頭蓋骨の硬化や歪みをリリースする事により、事故の後遺症の治療、深いリラックス、自己治癒力や免疫の改善、慢性的な緊張からの解放等が図れます。

硬膜及び硬膜管で出来た皮袋の中に、
脳脊髄液が満たされ、
その中に脳と中枢神経が浮かんでいます
★脳脊髄液は、頭蓋から脊柱のエリアを循環しています
 2、脳脊髄液の循環、及び役割りについて
頭蓋骨と脳、脳脊髄液について、もう少し詳しく説明します。
先ず、頭蓋と脊柱、仙骨、尾骨は、繋がりあって一つの系を構成し、その中に硬膜及び硬膜管と呼ばれる膜が袋状に存在し、その中に脳脊髄液が満たされ、その液中に右脳、左脳、小脳、中枢神経が浮かぶように収まっています。
そしてこの脳脊髄液は、1分間に10〜15回のリズムで循環しています。
 (更に詳しい説明 : コラム > CRIのメカニズムについて
言い換えると、硬膜及び硬膜管で出来た『 皮袋 』に脳脊髄液が満たされ、その中に脳と中枢神経が浮かぶ様に収まり、この皮袋は頭蓋と脊柱、仙骨、尾骨で出来たハードケースに収納されている事になります。
また、硬膜は内側に折れ曲がって入り込む事で、右脳と左脳を隔てる大脳鎌、大脳と小脳を隔てる小脳テントを形成しています。
脳脊髄液の役割りですが、まず第1に物理的な衝撃に対するクッションの機能が挙げられます。
脳はとても柔らかい組織ですが、頭部を強打しても、脳脊髄液のクッションで守られる訳です。
イメージとして、豆腐を保存する時に容器に水を張りますが、こんな感じに近いとも言えます。
生理的な役割りとしては、脳への水分の補給、神経の新陳代謝やホルモンの運搬の役割りを果たしていると考えられています。
ところが、頭蓋の歪みや硬化、及び膜の歪みや捩れにより、脳脊髄液の循環が本来のスムーズさを失ってしまう場合があります。
特に大脳鎌や小脳テントは脳脊髄液の液中に張り出しているため、この部分の歪みや捻れは、脳脊髄液の循環に大きな影響を及ぼします。
頭蓋や硬膜(大脳鎌、小脳テント)の歪み、硬化、捻れ等をリリースする事により、脳脊髄液の循環を改善し、脳そのものの活性化が図れます。
大脳鎌、小脳テントの治療については、項の後半に詳しく説明しております。
    実際の施術 > 脳脊髄液の循環(大脳鎌及び小脳テントのリリース
★私が、どの様な考え方で治療を行っているかの説明です
 3、当方で行っている頭蓋仙骨治療のポリシー
ここまで、頭蓋骨の構造及び動きについて、そして脳脊髄液の循環についてお伝えしました。
この事をふまえて、実際に私が行っている頭蓋仙骨治療についてお伝えします。
前述したように、頭蓋仙骨治療には、物理的な側面とエネルギー的な側面があり、ここでは治療の物理的な要素についての記述になります。
( エネルギー的な要素につきましては、頭蓋仙骨治療U(エネルギー的側面について) をご覧下さい )
ここまで記述しました頭蓋の物理的要素を、簡単にまとめると、以下の2点となります。
・ 頭蓋は23個の骨片から構成され、脳脊髄液の循環に伴って閉じたり開いたりの微細な動きを繰り返している
・ ストレスや外部からの衝撃で、23個の骨片から構成された頭蓋に歪みが発生し、不調になるケースがある
1例として、転倒して頭を強打し、この事が契機となり体調が不調になったケースを考えてみましょう。
恐らく頭蓋に歪みが発生し、それが原因で不調になっていると思われます。
右の参考図を元に説明します。
右側頭骨と前頭骨の継ぎ目の一部分がダメージを受け、頭蓋全体に歪みが発生しているとしましょう。
この歪みですが、頭蓋は全体が寄木細工のように繋がっており、一部分のみ歪むと言うことはありません。要するに頭蓋全体が変形するように歪み、歪みの小さい部位から大きい部位まで、アナログ的に歪みが発生していると考えられます。
同時に、頭蓋は、前述の通り、CRI と呼ばれる閉じたり開いたりの動きを繰り返していますが( この動きを黒い矢印で表しています )、この動きに頭蓋の歪みが反映され、歪んだ動きになっています。

頭蓋にダメージが発生した状況
左右で歪みの量や方向が異なり、
頭蓋の動きも歪んでいます
一般的に、頭蓋の歪みがきつければきついほど、頭蓋の呼吸の様な動きの量は小さくなり、また、動きそのものも歪んだ動きになります。
参考図による説明に話を戻しますと、ダメージの大元が右側にあるため、右側の歪みは大きく、それを反映して右側のCRI の動きは小さく、左側は歪みが小さいため、CRI は大きく動いています。
同時に、動きの方向も、歪みが反映されるために、右側の動きがより歪んだ動きになります。
(参考図では、動きの大小を矢印の大小で、動きの方向を矢印の向きで、少しオーバーに表現しています)
ここで、歪みのパターンを立体的に知覚し、ダメージの大元の部位を特定し、この部分の歪みをリリースすれば、不調の大元の原因は除去されますので、体調は徐々に回復します。
この時、治療として効果を出す為には、幾つかの大切な点があります。
★一番重要なことは、『 最も大きな歪みから順にリリースして行く事 』 となります。
最も大きな歪みでは無く、枝葉末節の歪みをいくらリリースしても、殆ど効果はありません。
右上の参考図で言いますと、黒○で示した部位をリリースする必要があります。
2番目、3番目に大きな歪みにリリースを試みた場合、リリース直後は効果が出る場合も多いですが、結局のところ、症状が戻ってしまう事が多いのです。
この理由として、頭蓋骨や縫合部の繊維性の組織はある程度の柔軟性を有するため、最も大きな歪みを残してのリリースは可能であり、その時は効果が出たとしても最も大きな歪みが残っている為、時間の経過で全体の歪みは元のパターンに戻り易く、症状も戻ってしまうと考えられます。
では、どうすれば最も大きな歪みから順にリリースする事ができるでしょうか?
その為には、治療において、以下の技術が必要になります。
 項目  内容
@ 触診技術 頭蓋を触診して、最も大きな歪みの部位を正確に掴めること
A 治療技術 その歪みを、正確にリリースできること
(実は、このことは頭蓋仙骨治療に限らずに、全ての治療に当てはまる事なのです )
触診の様子
頭蓋の呼吸の様な微細な動きを知覚します
指先のふくらみだけで、やさしくタッチしています
得られた知覚により、全体の歪みを立体的に掴みます
治療の一例
軽い圧をかけてリリースを図ります
指先のふくらみのみで、軽く頭皮を動かすだけです
圧の方向、加減、クリティカルな技術が要求されます
@ 触診技術について
・ベーシックな触診技術
両手指先で、頭蓋を両側から軽く触診し、脳脊髄液の循環に伴って動いている微細な動きを感じ、その動きの大きさ、歪み、及びアンバランスを知覚することで、頭蓋全体の歪みを掴みます。
前述した様に、頭蓋は脳脊髄液の循環に伴って閉じたり開いたりの微細な動きを繰り返しています。
頭蓋が健全な場合、左右対称でスムーズな気持ちの良い、躍動感のある動きを繰り返しています。
頭蓋に歪みがありますと、動きは小さくなり、左右対称ではなく、引っ張られたり、引っ掛かったり、 どこか歪みを反映したアンバランスな動きになってしまいます。
そして、一番大きな歪みの部位を特定するには、この動きの微細な歪みやアンバランスを正確に知覚し、この情報を元に頭蓋全体を立体的に掴み、大小の歪みの分布を立体的なイメージとして構成し、その上で一番大きな歪みの部位を特定します。
即ち、紙の厚さ1枚くらいの動きの中に内在する動きの量や歪み、アンバランスを、正確に知覚する必要があります。
・立体的な認識について
私たちは立体を認識する時に、視覚であれば、左目からの情報と右目からの情報を別々に知覚し、脳の中で演算して立体的なイメージを作ります。
聴覚であれば、左の耳からの情報と右の耳からの情報で、やはり脳の中で演算してどちらの方向から音が聞こえて来るか等のイメージを作ります。
これと同じ様に左右の指先で動きの違いを感じ取り、頭蓋の歪みとして立体的に認識する訳です。
更に、これにプラスしてエネルギー的にも情報を知覚しています。
・陥りやすい誤りについて:情報を取りに行ってしまうこと
触診により歪みの部位を特定する作業は、微細な動きを指先で感じ取ることが必要で、それなりの修練を要求されますし、かなり難度の高い技術です。
この時に往々にして陥り易い過ちは、治療しようと言う意図により、歪みの情報を取りに行ってしまう事です。取りに行きますと、指先が緊張し、微細な情報を知覚出来なくなり、また情報を取りに行く意図が更に強いと、エネルギー的に頭蓋の動きや生命力を抑えてしまう事さえあります。
ここまで来ますと、触診により動きを更に歪めてしまい、全く治療には成りません。
では、取りに行かずに、どうすれば情報を知覚できるのでしょうか?
言葉で現すのは難しいのですが、『 患者:治療家 』 としての存在を、『 50%:50% 』 に保って待っていれば、情報が自然に入って来る感じです。
・私の試行錯誤
私は、2003年の秋から頭蓋仙骨治療をメニューに入れ、中心的なアイテムとして行って来ました。
実際に、左右の指からの情報で立体的なイメージを構成することは、翌年の2004年くらいから自分で考えながら、施術の中に意図として取り入れて来ました。
この様な知覚は、当初からそれなりに出来ていましたが、紆余曲折を繰り返し、10年以上試行錯誤を重ねる中で、エネルギー的な要素も密接に関係していることが判って来ました。
その結果、エネルギー的な要素のみでもある程度の治療は可能になりましたが、多岐に渡るケースや症状に対して、効率的且つ効果的な治療の為には、物理的な要素も必要だと考えています。
現状は、交通事故の後遺症とか転んで頭部をぶつけた、喧嘩で殴られて歪んでしまった、等々明らかな外力により発生した歪みによる不調に対して、ほぼ全員に改善の効果を出せています。
因みにこの様な方々は、色々な治療院に相当数行かれて、改善が見られずに当方に来られた方が多いです。
・触診技術の応用について
頭蓋の微細な動きは、頭蓋骨だけでなく、全身の骨格系にも当てはまり、頭蓋を含む全身の骨格系は同期して閉じたり開いたりの動きをしています。
ですので、足先を触診すれば、頭蓋の動きに同期して動いている足から骨盤にかけて、ケースによっては頭蓋までの骨格の動きや、それに付随する歪みまで知覚することができます。
同様に手先を触診すれば、やはり頭蓋の動きに同期して動いている、腕全体の骨格の動きや歪みを知覚する事ができます。
この時に必要なことは、やはり『 情報を取りに行こうと言う、意図を持たない 』 ことになります。
頭蓋に限らずに、全身の身体についても、『 50%:50%で待っていれば、情報は自然に入って来る 』 と言う感じで知覚することが出来ます。
この様にして、全身の骨格の動きを掴む事により、全身の歪みの分布のイメージを得ることが可能になり、私の行っている全ての治療は、 頭蓋仙骨治療の触診技術がベースになっています。
A 治療技術について
・治療技術の要素について
上記でお伝えした歪みとは、頭蓋の骨と骨を繋ぐ繊維性の結合組織の硬化や滞りから来ています。
繊維性の組織の滞りですから、歪みには方向性があり、この方向性を正確に掴んで治療を行う必要があります。
具体的には、歪みの方向性に従って軽い圧を加えることにより滞りのリリースを図ります。
加える圧は、原則皮膚をずらす感じ程度の軽い圧ですので、危険性は全くありません。
( 強い圧を加えても、治療としての変化はかえって起きません )
物理的な治療の急所としては、この方向性については幾何学的な正確さが要求され、圧についても治療効果が起きるための最適な圧で、且つ安定していることが要求されます。
以上を含めて、治療効果を出す為に必要な要素を、以下の表にまとめてみました。
項目 内容
動かす軌跡 要求される軌跡は、直線方向と回転方向に分けることが出来ます
直線方向の場合は、可能な限り正確に直線であること
回転方向の場合も、やはり可能な限り正確な円弧で、仮想中心がブレないこと
要するに、幾何学的なイメージが作れて、それに対して正確であること
圧の方向 方向は、歪みのパターンによって変わり、間接法または直接法と呼ばれる方法をケースバイケースで選択します
治療の過程で、間接法・直接法以外に、バランス法(BMT:中間法とも呼ばれています)も含めて最も効果的な方法を選択しながら、治療を進めます
圧の強さ 基本はごく軽い圧ですが、安定していることが必要です
微調整 治療反応が進むと、最も効果的な方向や圧が変化して来るケースもあります
場合によっては、リアルタイムで変化を感じ取り、方向や強さを微調整することも要求されます
解剖学的
理解
解剖学的な頭蓋骨の構造、形状を理解して記憶していること
治療の物理的な要素において、頭蓋骨の構造的な理解は必須になります
すべの構造を完璧に理解記憶することは不可能ですが、理解は深いことが望ましいです
私の場合、頭蓋模型を横に置いて、それを参考にしながら治療を行うケースもあります
エネルギー
的な要素
頭蓋仙骨治療のエネルギー的な要素についても理解が必要です
理解と同時に、実際にエネルギーを知覚出来ている必要があります
詳細は、頭蓋仙骨治療U(エネルギー的側面) で説明しています
頭蓋は3次元的な立体構造であり、継ぎ目は至るところに存在し、立体として全ての部位で上記の要素が必要となり、指先にはかなりの繊細な感覚が要求されます。
そして、これらの要素がどこまで満たされているかが、治療効果の差となって現れます。
( 参考 : 物理的治療とエネルギー的治療の比較 )
以上述べて来ましたように、頭蓋骨を物理的に治療する為には、解剖学、組織を動かす方向や強さ、等々の理解が必要になり、ある意味かなり敷居が高い一面があります。
頭蓋仙骨治療には、物理的な側面とエネルギー的な側面があり、エネルギー的な治療の場合、物理的な治療で要求されるクリティカルな要素は、それほど要求されません。
逆に言いますと、ある程度の感性があれば、エネルギー的な治療は可能です。
しかし、真に高度なエネルギー的な治療は、施術者の意識の問題や、空間認識、等々でかなりハイレベルなものが要求され、これはこれでかなり難度が高いと感じています。
この辺りは、頭蓋仙骨治療U(エネルギー的側面) でその一端を説明していますので、関心のある方はご覧下さい。
エネルギー的治療は、当初の敷居は低いかも知れませんが、奥の深さは相当なものであると思います。
改めて物理的治療の難しさを考察しますと、頭蓋仙骨治療は物理的な面と、エネルギー的な面のクロスオーバーした領域であり、効果的な治療の為には、物理的要素に加えてエネルギー的な要素の理解や知覚も必要になります。
そうは言いましても、エネルギー的な治療も、解剖学や生理学の知識は、有していれば、それだけ有意義な治療になります。
では、物理的治療とエネルギー的治療で、どちらが難しいかと問われると、これは答えようが無い感じです。
各々の治療家の適性は異なっており、自分の適性に合っている方向に進んで行く性格のものだと考えています。
B 適応範囲について
・物理的治療の適応範囲
冒頭の例で挙げましたように、物理的な障害、転倒して頭を強打し、この事が契機となり体調が不調になった様なケースは、効果の程度は差があったとしても、的確に物理的なアプローチを行えば、かなりの確率で効果は出ます。
しかし、不調の原因が、頭蓋の歪みなのか、それとも、例えば脳そのものの組織の問題なのか、これらが複合しているのか、この辺りの判断が難しいのです。
結果的には、やはり、実際にセッションを行ってみないとなんとも言えない部分は多いです。
当方にセッションを希望される方は、この辺りにつきましても、勘案して頂ければと思っています。
★治療の導入、及びもう少し詳しい個々の部位のアプローチの様子をお伝えします
 4、実際の施術例
スタート時の触診の様子です
このポジションで全体を把握します
・施術は、左右の頭頂部の触診からスタートします
先ず最初は、左右の頭頂部を指先で軽く触れ、一切の先入観を排して、無心で頭蓋骨の動きのリズムを感じます。
リズムが感じられたら、その動きの量、動きの速さ、左右のバランス、等々に触診の意図を軽くフォーカスして行きます。
脳脊髄液の循環、左右の脳室の状態、脳幹から中枢神経、全体のバランス、等々にも意図をフォーカスして行きます。
殆どの方は、何等かのアンバランスがありますので、徐々に細部に神経を配り、骨の継ぎ目の滞りや、膜の緊張している場所を把握して行きますが、これらは全て頭頂部の触診により行います。
・骨と骨の継ぎ目の1例:鱗状縫合
ここで、最も滞りやすい骨の継ぎ目の1例として、『 鱗状縫合 』 を説明します。
鱗状縫合は、左の写真に示す様に頭頂骨と側頭骨で構成される耳の上側にある継ぎ目で、上側の頭頂骨は、下側の側頭骨の内側に潜り込むように形成されています。
側頭骨は耳孔を中心に扇形のように上方に広がり、この形状により『 鱗状 』 と言う形容詞がついています。
この鱗状縫合の接合面ですが、拡大写真に示されている様に互いに凸凹の形状をしており、この凸凹が入れ子のように接合しています。
この凸凹の意味ですが、クレニオリズムで膨らんだり閉じたりの動きで、頭頂骨と側頭骨の相互関係を保持し、バランスの崩れを防ぐ機能を担っていると、私は考えています。
(本件は、コラムにて更に詳しい考察を載せる予定)
この鱗状縫合ですが接合面が複雑なだけに滞り易い様で、この部分が滞る事で閉じたり膨らんだりの動きを窮屈にしているケースが多く見受けられます。
( この下に実際のアプローチの様子を説明しています )
@、頭蓋への施術
・最もアプローチの機会の多い部位:鱗状縫合
頭蓋骨のコンディションはまさに10人10色ですが、そんな中でも最も滞りの多い部位が、前述した鱗状縫合です。
鱗状縫合は、前記の写真のように耳の上にある継ぎ目で、頭頂骨が側頭骨の内側に潜り込むように構成され、耳側の側頭骨は魚の鰓(エラ)の様な構造になっています。
頭蓋骨のアンバランスは、この継ぎ目の滞りが関係している場合が多く、片手で上側の骨に触れ、もう片方の手で下側の骨に触れ、縫合の癖をリーディングし、軽く圧をかけて緩むのを待ちます。

鱗状縫合へのアプローチ
・その他、頭蓋へのアプローチの1例
鼻の根本の奥にある篩骨(シコツ)と呼ばれる骨を緩めています。
上下から鼻の根本を軽くホールドし、継ぎ目の状態を感じます。
次に、やはり縫合の癖をリーディングし、緩む方向に軽い圧をかけ、緩むのを待ちます。
待っていると、フニャ〜、っと緩んできます。

篩骨へのアプローチ
A、脳脊髄液の循環の改善
大脳鎌へのアプローチ
・大脳鎌のリリースの1例
頭部を前後からホールドして、右脳と左脳を隔てる大脳鎌の状態を感じます。やはり緩む方向に圧をかけ、緩むのを待ちます。
圧をかけながらも、鎌の状態を常に感じて、リリースを図ります。
施術者が、大脳鎌の存在やコンディションをきちんと感じられるか否かが急所になります。

大脳鎌と小脳テント
脳脊髄液の循環の改善について考察します。
再度の説明になりますが、脳は硬膜と呼ばれる袋の中で脳脊髄液の中に浮かんでおり、硬膜は頭蓋に収納されています。
頭頂部では、この硬膜が内側に伸びて右脳と左脳の間に入り込む形で大脳鎌を形成し、右脳と左脳を隔てています。
更に、大脳鎌は後方下側で左右に分かれ、大脳と小脳の間に入り込む形で小脳テントを形成し、大脳と小脳を隔てています。
以上より、脳脊髄液の循環の改善のためには、頭蓋骨の歪みや硬化のリリースよりも、脳脊髄液が直接触れている大脳鎌や小脳テントの緊張や歪み捩れを取る方が効果的です。
1例として、実際に頭蓋骨を丁寧に緩めて行くと、それまで感じられなかった大脳鎌の緊張が浮き上がるように感じられて来ることがしばしばあり、この様な時がリリースのタイミングの1つです。
また、この硬膜と呼ばれる膜ですが、実際に触った感じもシリコンの様な感触で柔軟性とコシがあり、緊張や歪みを溜めてしまいそうな感じを受けます。
実際、大脳鎌や小脳テントの歪みや緊張のリリースを行いますと、殆どの方より
・ 『 脳のスペースが広くなった 』
・ 『 さっぱりして気持ちが良い 』
・ 『 脳が大きくなった感じ 』 等々のコメントを頂いています。
B脊柱への施術
頭蓋を調整しますと、脊柱から仙骨・骨盤までの歪みが頭蓋の滞りや歪みとリンクしている場合が、しばしば見受けられるます。
具体的には、脊柱において、頭蓋との歪みが関係しやすい部位は、右下の図の引出線で示した部位が挙げられ、この様な場合は、脊柱の開放も必要になって来ます。
右記各部分の開放には、各部分なりのノウハウが必要ですが、基本的には、頭蓋骨の縫合を緩める方法と同じ方法で行います。
名称 説明
AO 関節 頚椎1番と後頭骨の関節
C7T1 頚椎と胸椎の継ぎ目の関節
( 全身のバランスにおいても急所中の急所になります )
T2 胸椎2番
T12L1 胸椎と腰椎の継ぎ目の関節
腰仙関節 腰椎と仙骨の継ぎ目の関節
仙腸関節 仙骨とその両側にある腸骨との継ぎ目の関節
(右図には示されていません、右下の図を参照下さい))
   参考、AO:頚椎の1番(Atlas)、後頭骨(Occcioital bone)
       C7:頚椎(Cervicai)7番(上から7番目)の略号
       T1:胸椎(Thoracic)1番(上から1番目)の略号
       L1:腰椎(Lumbar)1番(上から1番目)の略号
因みに、上記、AO関節から仙腸関節まで、当方で行っている ロルフメソッド・プラス では、全身の統合を目指す中での必須なアプローチとして、施術を行っています。
  ロルフメソッド・プラス > ロルフメソッド・プラス概説 > 胸椎と頚椎の継ぎ目: C7T1
★頭蓋仙骨治療と呼ばれていますが、仙骨・尾骨についてお伝えします
5、仙骨・尾骨について  
骨盤の中心の骨です
仙骨は、脊柱を介して頭蓋と対称の位置にあり、頭蓋の膨張・収縮の動きと同期して、前後に微細な揺動運動を行っています。
この仙骨ですが、前述のように頭蓋・脊柱・仙骨、として骨格として繋がっており、一つの『 系 』 を形作っています。
そして、脊柱を介してその両端に頭蓋と仙骨が形成されている構造上、仙骨の歪みと頭蓋の歪みが関係しあっているケースがしばしば見受けられます。
この様な場合は、仙骨周りの調整も必要となります。
具体的なケースとして、耳のすぐ上に鱗状縫合と呼ばれる継ぎ目があり、この継ぎ目が同側の仙腸関節の滞りと繋がっているケースが挙げられます。 
この様な場合、鱗状縫合の滞りを、鱗状縫合のみのアプローチで開放する事は難しく、鱗状縫合と同時に仙腸関節の歪みも開放する必要があります。
また、仙骨そのものに歪みが発生し、骨盤全体が固くなっている場合もあります。
頭蓋の開放のためには、これらの歪みの開放はとても効果的です。
・尾骨について
尾骨は折れ易い骨で、骨折して固まっているケースがしばしば見受けられます。
この様な場合は、頭蓋・脊柱・仙骨までの径に影響を及ぼしている可能性が考えられます。
@仙骨、尾骨への施術
・仙腸関節のリリース
仙腸関節の滞りは、前述の通り頭蓋と関係しているケースがあり、大切なポイントです。
物理的にリリースを図る方法と、エネルギー的にリリースを図る方法があり、ケースバイケースでどちらで行うかを決めます。
・仙骨・尾骨の構造、及び触診
仙骨から尾骨にかけて、外見上は一つのブロックに見えますが、合計9ヶの骨が癒合して構成されています。

仙骨の裏側です
癒合の跡が見えます
前後方向に揺動しています
頭蓋骨が脳脊髄液の流れに伴って膨張・収縮の動きを繰り返しているのと同じリズムで、仙骨は身体の前後方向に揺同運動をしており、掌で仙骨をホールドし、揺同運動を感じる事が出来ます。
これにより仙骨自体の固さや捩れ、アンバランス等を掴み、必要に応じて仙骨・尾骨のリリースを行います。
・仙骨・尾骨そのものの物理的なリリース
物理的と言いましても極々ソフトなアプローチですが、実際に仙骨・尾骨の歪みをリリースてみますと、仙骨・尾骨にはしばしば複雑に歪みが蓄積されていて、この歪みにより仙骨が固くなっていたり、アンバランスになっていることが実感されます。
仙骨全体で同じ方向に捻れるような歪みがあったり、元々の骨片について、互い違いに歪みが発生していたり、人それぞれという感じです。また、この部分は表面的な歪みを除去してみると、奥の方から隠れていた歪みが2重3重に出てくるケースがしばしばあります。
これらの歪みを、手技で触診しながら、一つ一つ丁寧に優しく緩めて行きます。
素晴らしい開放感を感じて頂ける場合が多いです。
6、施術のパターンについて:色々なパターンが可能です
@ 頭蓋調整単発でのフルセッション
1.5h〜2.0h かけて頭蓋骨全体を丁寧にリリースし、必要に応じて、骨盤や仙骨の調整も行います。
頭蓋骨は、冒頭の頭蓋模型の写真で示したように、寄木細工のように構成され、色々な箇所に歪みが出来ており、これらの歪みを効果的な(大きい)順に一つ一つリリースして行きます。
因みに、事故の後遺症の治療はこのパターンになります。
深いリラックスで、睡眠に入ってしまう方も多いです。
A 全身の調整の一環として頭蓋骨の調整
全身の調整に於いても、頭蓋骨の調整はとても重要です。
身体は全身で繋がっており、バランスを取り合うように複数の歪みが関係しており、脊柱や骨盤の歪みが頭蓋骨の歪みと繋がっているケースも多いです。
全身の調整の一環として行う場合は、適当なタイミングで頭蓋を触診し、身体との関係性が感じられる頭蓋の歪みをリリースし、また全身の他の箇所に戻り、これらを繰り返します。
B 個々のセッションでフィニッシュとして頭蓋の調整
私はロルフメソッド、内臓マニュピレーション、その他色々な施術をしていますが、殆どのセッションで最後の5〜10分程度、頭蓋と仙骨の調整をします。
この意図は、全身の歪みをリリースして行きますと、リリースと同時に歪みの1部は頭部に向かって逃げて行く傾向があり、最後に頭部の歪みをリリースして、個々のセッションの仕上げとしています。
7、頭蓋仙骨治療の回数
特に回数の区切りはありません、1回でもOKです。
歪みをリリースしますと、緩んだ瞬間に効果を感じられる場合も多いです。
8、物理的側面 ⇔ エネルギー的側面
繰り返しになりますが、頭蓋仙骨治療には物理的な側面とエネルギー的な側面があります。
物理的な要素を開放することで、エネルギー的な治療もよりスムーズに行える感じです。
勿論、エネルギー的な要素への直接的なアクセスも可能ですが、物理的な要素の開放の上でのアクセスは、よりスムーズな感じです。
私には 『 物理的な構造物の扉を開くと、中にあるエネルギーと出会える 』 と言う感じがしています。
頭蓋仙骨治療のエネルギー的側面について、次項で詳しくお伝えしています。
宜しければ、頭蓋仙骨治療(U) エネルギー的側面 もご覧下さい。
☆ セッションの受け方の説明は コチラ ☆
☆ セッションルームの場所(吉祥寺駅徒歩2分、ヨドバシカメラ手前) ☆
ご質問、お問い合わせはお気軽に

(HP製作者のつぶき:2016/2/25)
私は、頭蓋仙骨治療を自分のセッションの中で、中心的に位置づけて色々な治療を行っています。
ですので、このHPの作成当初より、『 どの様なページを作れば、自分が考え、そして実際に施術として行っている頭蓋仙骨治療をお伝えることが出来るのだろうか?』と色々考えていました。
Webによる表現でテンプレート等を使用しない場合、まさに白紙の状態から構成を組み立てる作業になります。
元々、頭蓋仙骨治療は物理的な要素とエネルギー的な要素のクロスオーバーした領域だと言うイメージはあったので、これを分けることなくページを構成して行くと、物理的な要素を記述しているのについついエネルギー的な記述が入り込んでしまったり、その逆が起ってしまったり、これらの試行錯誤の末に、物理的な要素とエネルギー的な要素に分けた構成で記述するスタイルに思い至り、その構成での最初の更新が、2011/11/14でした。
さて、今回の更新に当り、改めて旧ページを精読しました。
その結果、物理的な要素のページは従来の構成に内容を追記・充実させる方向でなんとかなりそうで、その方向で更新しましたが、エネルギー的な要素のページは全面的な作り直しが必要な感じでした。
と言いますのは、エネルギー的要素の旧ページは、2016年時点の私の視点で見直すと、論理の飛躍があったり、表現が尽くせていない部分があったりで、このままの構成での更新は無理があり、更新するのであれば構成そのものを根本的に見直す必要に迫られました。
結果、物理的な要素に引き続いてエネルギー的な要素もなんとか更新することが出来ました。
そんな訳で、今回の更新で、物理的な要素とエネルギー的な要素に分けた構成が、ようやくある程度意を尽くせるレベルに近づけた感じです。
2011年当時の分けて記述するという意図が、『 5年かけて、ようやく少し形になったかなぁ〜 』 と。。。。
(以下、『 エネルギー的な要素 』 のページ、一番下の(HP製作者のつぶき)に続きます。