★ プライベートワークショップ : トピック ★
ワークショップにつきまして、このページは、少し突っ込んだテーマについて詳しくお伝えしています
1、治療系セミナー全般についての問題点、及びその他
・始めに : 会社員から、施術者に ‥‥
1998年の春に長年勤めた会社を退職し、その年の初夏から1年間、長野県小谷村でマークカフェル博士の主宰する 『 ボディーワーカー養成寄宿生トレーニングコース 』 に参加、翌年の秋に吉祥寺で開業しました。
マークカフェル博士はアメリカ人ですが、日本人の私から見るとかなり個性的な方でした。
寄宿舎は、長野と言っても新潟との県境、スキーで有名な白馬村の先で糸魚川の手前、小谷村の山の中腹にある集落の茅葺の古民家で、そこには彼の強大なエネルギーが創り出した異次元空間が幻出していました。
そこに集まって来た男女6人と、博士夫妻の合計8人での不思議な1年間の共同生活を経験したのですが、それまでの大企業の(不真面目な)会社員生活から区切りを付けた感じもありました。
仕事的に見ると、機械の設計業務から一見全く違う仕事にシフトした訳ですが、実際に開業してみると自分の技量不足を痛いほど感じ、色々な治療系のセミナーやワークショップに参加して来ました。
2009年より、治療の傍ら、吉祥寺で頭蓋仙骨と内臓マニュピレーションを教えています。
また、2012年より、治療系の専門学校で毎週1回、触診技術及び治療技術の講師をしています。
その様な中で、治療系のセミナーに関する構造的な問題点を色々と痛感しています。
組織の中での講師は、色々と制約があるのですが、吉祥寺で教える場合、当方が主宰者なのでかなりの自由度があり、上記感じている問題点を少しでも改善できればと工夫を続けています。
この項では、治療系のセミナー全般について、私なりの視点、工夫についてお伝えします。
・『 教わったことが出来ているか否か?、確認が出来ない 』 と言う問題
治療の業界では、治療家向けに日々色々なセミナーが開催されています。
その様なセミナーでは、概ね、以下の進行パターンで行われていると思われます。
 ・ 講師の講義、説明
 ・ 講師の施術のデモ
 ・ 受講生同士でペアを組んでの実習
 ・ 質疑応答
しかし、この流れの場合、教わったことが出来ているか否かの評価が行われず、果たして、受講生の受け取ったものが講師の意図通りであるのか、疑問が残ります。
受講生同士でのペアを組んでの実習では、受講生そのものが理解の途上にあるため、ペアの相手の施術が講師の意図するものか否かの評価は、かなり難しいと思われるからです。
講師やアシスタントは、実技の練習中は教室を回り、質問を受け付けたり、手つきを見てアドヴァイスを送ったりしますが、どうしても限界があります。
そもそも、実技でありながら、受講生自身が講師の意図する施術を受けていないものを、ペアの相手に施術をすること自体に、正確に伝わらない危険性を孕んでいると思います。
それとは別に、セミナーの内容の中に、『 ここだけはどうしても押さえておかないと、今後の学びに支障が出る 』 、と言う基礎の部分、言い換えれば急所の部分があります。
ここが理解されないまま、講義が先に進みますと、結局不十分な理解のままでセミナーは終わってしまい、折角のセミナー受講にもかかわらず、学びが乏しいままで終ってしまう可能性があります。
そこで、当方のワークショップでは、全てのエクササイズにつき、原則、講師が参加者全員にデモを行い、最も重要な部分は、適宜、講師が受講生の施術を受けることでチェックを行います。
チェックは最も重要な部分しか出来ませんが、それでも、定員が4人と言う少人数の大きなメリットであると考えています。
・ペアを組んだ相手の当たり外れの問題
セミナーの学びを大きく左右する要素に、ペアを組んだ相手の当たり外れの問題があります。
技量に明らかな差がある場合、殆ど学びにならない場合があり、これも切実な問題だと思います。
当方のワークショップでは、臨床経験をお持ちのベテランの方と全くの初心者の方を同時に受け入れていますが、技量に差がある同士でペアを組んだ場合も、十分な学びになっています。
その理由ですが、ペアを組んでの実習に当たり、受け手にとって相手の施術が自分に対して効果があるかを感じてもらい、それがいまいちの場合でもタイムリーにアドヴァイスする事により、反面教師として自分の施術にフィードバックして頂くことを重要視しているからです。
受講生が4人ですので実技は2ペアになり、講師が常に中央で進行状況を見つつ、必要に応じてアドヴァイスが出来るため、ここまでのフォローが可能になります。
受けた感じを参考にして学びとして頂く実例を、このページの中頃、以下の部分で説明しています。
   触診における侵害 > 侵害を実感して頂くために
2、触診における侵害
・ 触診における侵害とは?
前のページの『 ワークショップ補足 』 に、触診における侵害について、以下の様に軽く触れました。
『 ルポライターが取材の過程で踏み込みすぎて、相手を侵害してしまうのと同様な感じもあります 』
実は、侵害には2つのタイプがあります。
 1、情報を取ろうとしての侵害
 2、病変を除去しようとする(潜在意識レベルでの)意思による侵害
以下、順に説明します。
2−1、情報を取ろうとしての侵害
・ 情報を取りに行くことで侵害になってしまうメカニズム
前述したように、頭蓋の膨張・収縮の動きの量は、0.01mm( 紙1枚の厚さ程度 )と、極々小さいもので、この動きを触診で知覚しようとすると、当然、最初は誰でも指先で捜しますが、一般的に教えられている触診の感覚では見つけることは困難で、更に探しに入ってしまいます。
実は、これらの指先で捜したり、更に探す働き、及びその意識が侵害になってしまうのです。 
これは、頭部と言うセンシティブな部位への触診のため、象徴的に現れて来る問題とも言えます。
そして、侵害的なタッチは、色々な問題を引き起こし、膨張・収縮の動きを安定して読むことの阻害要因となってしまうのです。
この阻害要因は、色々な要素が関わっていますが、その要素の一部を表にして以下に現します。
.    患者の状況    治療家の状況
頭蓋仙骨治療において、
触診が侵害となっている場合 
・動きを止められている(感じ)
・圧迫されている(〃)
・狭いところに押し込められている(〃)
・押さえつけられている(〃)
・苦しい(〃)
(侵害に気が付かないケースも多い) 
< 侵害となる物理的な働き >
・触診の指の圧が強い
・触診の指が硬い
< 侵害となる意識的な働き >
・動きを探してしまう
・情報を取りに行ってしまう
・意識のエリアが狭い
最終的に起きていること ・身体が閉じてしまっている
(侵害に気が付かなくとも、閉じている)
・触診による情報量が減少
・触診の感度が低下
⇒ CRI が安定して読めない
この様な感じで、結果、右下に赤字で現した、『 CRI が安定して読めない 』 と言う事態に陥ります。
ここで、幾つか補足的に説明します。
・本当に侵害しているのか?
ここまで、触診において、ともすれば侵害的になってしまうデメリットについてお伝えして来ました。
ある程度手技療法に携わっている方は、『 果たして、そんなに侵害してしまうものなのかなぁ〜? 』
と感じられるかも知れません。
確かに、侵害している触診であっても、受ける側が 『 まあ、こんなもんだろう。。』 と思っていれば、侵害されていることに気が付きません。
一例として、例え抑圧されていても、本人がそれを抑圧だと感じていなければ、抑圧にはなりません。
しかし、何かの拍子にそれが抑圧だと気が付いてしまうと、それは、耐えられないものです。
触診における侵害も、これと似た様な一面があります。
・侵害を実感して頂くために
実際のワークショップでは、自分が侵害的な触診を受けた感じを実感して頂きます。
場合によっては、私が4人の方全員に対して、1人づつ順に侵害的な触診のデモを行い、同時に 『 これが、侵害的な触診ですよ〜。。。 』 と説明することで、侵害される感じを実感じて頂くこともあります。
その後、ペアを組んで触診の練習に入りますが、一度侵害的な触診の感覚に気が付いてしまうと、殆どの場合、相手の触診が侵害的なことを実感する様になります。
そして、この侵害を受けた感覚を、反面教師として自分が触診をするときの参考にして頂きます。
当方のワークショップでは、受ける側の感覚を大事にしていますが、これがその一例になります。
・ 患者自身が侵害に気が付いていなくとも、身体は閉じてしまいます
先ほど一例として挙げました抑圧の件ですが、抑圧である事に本人が気が付いていない場合でも、ストレスに晒されている事に違いは無く、体調不良等に陥ってしまうことがしばしばあります。
侵害的な触診も、侵害と気が付かなければ愁訴は表面化しませんが、身体は閉じてしまいます。
このことは、ワークショップで実際に体験していただくことで納得して頂いています。
それに対して、施術する側は、例え侵害的な触診をしていても、受ける側の感じるような不全感は全く無く、現れている現象は、知覚する情報量の減少くらいでしょう。(実はこれが大問題なのです!!)
結果としてCRI が安定して知覚出来ないまま、侵害的な触診が続けられることになってしまいます。
・頭蓋以外でも、侵害的な触診はデメリットになります
頭蓋の触診における、侵害のデメリットをお伝えしました。
実は、頭蓋以外の身体の全ての部位でも、侵害的な触診は治療効果の減少等のデメリットを生み出しています。
頭蓋はセンシティブな部位なので侵害を感じ易いですが、頭蓋以外ですと、侵害的な触診は感じにくくなり、結果としてデメリットな要素を内在した治療を続けてしまう場合が多いと思われます。
逆に言いますと、侵害しない触診を掴むためには、頭蓋でのトレーニングは、最も好適であると考えています。
2−2、病変を除去しようとする(潜在意識レベルでの)意思による侵害
・ 病変を除去しようとすることも侵害になってしまう‥‥
頭蓋の微細な動きを知覚しようとする意思が、ともすれば侵害になってしまうこと、それがどの様なデメリットなのかをお伝えしました。
実は、治療しようとする意思も、侵害になってしまうことがあるのです。
整体スクールや治療系の専門学校で学ばれた経験のある方は、『 治療 = 病変の除去 』 と言うことを疑う余地の無い当然の事として認識していませんか?
折角侵害しない触診を行っていても、病変を知覚した瞬間にその病変を除去しようと言う意思が働き、侵害になってしまうケースがしばしばあるのです。
・ 侵害しない治療も可能です
実際問題として、病変をネガティブなものとして捉えて、それを除去しようとしなくても、本人の持っている治癒エネルギーを誘発させることで殆どの場合、開放が可能です。
頭蓋や内臓の治療のところで幾度もお伝えしました 『 間接法 』 と呼ばれる開放のテクニックがまさにこれに相当します。
間接法につきましては、この下に詳述していますので、是非ご覧下さい。
・侵害について、その他の件はワークショップでお伝えします
侵害につきましては、まだまだお伝えしたいことはあるのですが、文章による説明では、どうしても限界があります。
詳しくは、ワークショップでエクササイズと共にお伝えしています。
3、間接法について
  ( プライベートワークショップ > ワークショップトピック > 間接法について )
・ 治療技術について : 間接法
治療の基礎は触診技術にあるとお伝えしましたが、同時に必須なものが治療技術になります。
一口に治療技術と言いましても、これはもう、多種多様な治療技術が存在します。
当方では、頭蓋仙骨治療や内臓マニュピレーションを題材にしてお伝えしていますが、ここで使う治療技術はオステオパシーの間接法と呼ばれる方法が中心になります。
・ 『 間接法 』とは?
間接法とはダメージを受けている組織に対する治療技術の1つで、組織を抵抗が少ない方向に可動範囲の端まで動かし、軽い圧をかけ続けることで、治療反応が誘発されるテクニックです。
・ 間接法は汎用性があり、応用範囲の広いテクニック
間接法は、独立した1つのテクニックと言うより、全身の色々な組織に使える基本的かつ中心的な治療のテクニックで、具体的には、個々の筋肉や靭帯の硬縮や歪み、捻れ、骨や骨膜、各種結合組織、等々への治療が可能です。
ですので、他の手技療法(整体等)にも、割と容易に取り入れることが出来ます。
極端な例としては、エネルギーのみの治療であり、当方でもメニューに挙げている、エソテリックヒーリング に於いても、間接法を適用することが可能です。
メリットとしては、受ける側に痛み等が殆ど無いこと ( 患者の負荷の軽減 )、治療効果の向上、施術者自身の物理的な身体の負担の軽減、等々があります。
言い換えると、受ける側、施術する側、ともに前述しました侵害の要素が殆ど無いのです。
ですので、当方のワークショップでは、頭蓋仙骨治療や内臓マニュピレーションに限らず、これ以外の一般の治療に於いても、間接法のメリットを実感して頂くことを、目的の1つとしています。
・ すぐに使ってみましょう
ワークショップでは、色々な技法を臨床の場ですぐに使える形でお伝えする事を心掛けています。
その為、間接法をお伝えするためのエクササイズに関しては、参加者それぞれの方のバックグラウンドをお聞きし、更に皆で相談し、それぞれの方が臨床の場ですぐに使ってみることの出来そうな部位でのエクササイズを、取り上げるようにしています。
この点については、専門学校で通年の実技のクラスを担当し、色々な部位に対する間接法の使い方を教えた経験があり、このキャリアが役に立っています。
また、この様に参加者のバックグラウンドに合わせてエクササイズを選択出来るのは、定員4人と言う少人数の大きなメリットの1つだと考えます。
・ 間接法の使用による、施術者の物理的な負担の軽減
間接法を使用する事の大きなメリットの1つに、施術者の物理的な身体の負担の軽減が挙げられます。
当方のワークショップは、参加に際して個人セッションを受けていただくので、色々な手技療法に携わっている沢山の方々とお話する機会があります。
その様な中で、接骨院や整体院で働く過程で、俗に言う『 強揉み 』 若しくは『 強い指圧 』 を教わり、『 どうも違うなぁ〜 』 と感じていたとしても、そこでの方針としてそれを続けざるを得ず、ご自分の指や身体に不調を来たしてしまった、このような経験を多くの方からお聞きしています。
私自身現在の仕事で開業する際に、指先による強いアプローチを教わりそれを続けた結果、右手の人差し指の第1関節に慢性的な痛みが発生し、長期にわたって苦しんだ経験があります。
(今から思うと、全くナンセンスなことを教えられてしっまたんだなぁ〜、と言う思いが募り、悲しいです)
それに対して、間接法は、組織を動かして軽く圧をかけて待つことで患者の組織が自ら開放されるのを促す方法の為、施術者自身の物理的な負荷は殆どありません。
・ 概念図による間接法の説明
右の図は、組織を可動範囲の端まで動かし、軽い圧をかけ続けることで治療反応が誘発されるメカニズムをイラストで示すことにより、間接法を視覚的に現しています。
組織を動かす方向は抵抗の少ない方向に動かし、軽い圧をかける位置は可動範囲の端の少し手前になります。
治療反応が誘発される範囲が治療反応エリア(楕円で表現)で、そのエリア内に最も治療効果が得られるスポットがあります。
ワークショップでは、もう少し詳しく正確なイラストと共に、エクササイズを交えて丁寧にお伝えします。
・ 童話に例えますと‥‥
イソップの童話で、『 北風と太陽 』 の寓話があります。
強揉みや強い指圧を『 北風 』に例えますと、間接法は『 太陽 』に例えることが出来ると思います。
・ 触診技術は、間接法を行う上でも有用
但し、当然のことながら、間接法を効果的に行う為にはそれなりの難しさはあります。
圧をかける深さ、方向、強さ、位置、等の色々な要素があり、これらが何処まで出来ているかにより、効果に差が出ます。
しかし、( 素晴らしいことに )、これらの要素に不足している部分があっても、それなりに効果を出すことが可能で、出来る部分から臨床で使ってみて効果を実感することが出来ます。
私自身も、こんな感じで間接法を自分の施術の中に取り入れ、使い始めました。
そして、間接法の効果をより引き出すために、前述した触診技術が有用なのです。
触診技術により得られる様々な知覚は、間接法を行う時の上での深さ、方向、強さ、位置、等の要素について、より効果的なサジェスチョンを与えてくれます。
言い換えれば、一見同じアプローチであっても、より多くのものを指先より感じ取れれば、その分だけ微妙なさじ加減が可能になり、アプローチはより洗練されたものになって行きます。
4、その他、雑感
★触診技術は、technology なのか?
本文では、『 触診技術 』 と言う表現を多用しました。
同時に、治療的クレニオに必要な触診は、物理的なタッチ、意識の持ち方、この2つになることも伝えしました。
物理的なタッチは『 技術(technology) 』 と表現出来そうですが、意識の持ち方は多分に感覚的な要素も含み、『 技術(technology) 』 と言う表現は多少のズレがあるかも知れません。
私がこの様に感じるのは、前職がメーカーの技術職であり、航空機の慣性航法装置の開発、産業用の自動組み立て機械の設計、等の業務に従事していたことも影響している気がします。
それはそれとして、ここでは、これらを含めて、『 触診技術 』 と定義させていただくことにします。
★科学として証明出来ない世界
実際、ここでお伝えしている触診技術を深めて行くことにより、治癒反応におけるエネルギー的な要素、言い換えればエネルギーの流れを知覚することが出来るようになります。
当方のワークショップに参加される方は、鍼灸師や柔道整復服師、理学療法士、等々の医療系の国家資格をお持ちの方が半数以上なのですが、私が聞いた限り、触診のエネルギー的な要素についてはその方達の学ばれた専門学校では、一般的には触れられていない様です。
これらを、私はアメリカのオステオパシー大学の元教授より教わったのですが、『 科学的に証明が可能で再現性も有する 』 と言う性質のものではありませんので、一般の専門学校で、ある程度確立されたカリキュラムの中に取り上げるのは少し無理がある様です。
しかし、例えば、鍼灸で経絡治療を行う場合、経絡を通じてエネルギーがどの様に全身に作用するのか、これらを実際に知覚出来、理論的に理解出来て居れば、より良い鍼灸治療になると考えます。
実際に、当方のワークショップに参加して、この様な鍼灸治療にシフトした鍼灸師の方もいます。
そんな訳で、ついつい、『 専門学校でこの様なことを教わりましたか?』 とお聞きしてしまうのですが、やはり全く触れられていない様です。
ただ、上記は私が直接お聞きした範囲の話であり、例えば鍼灸でも、上記の専門学校を超えた世界で、流派によっては伝わっているとの話を聞いたことがあることは、付け加えさせて頂きます。