冒頭の文章を追記しました、2024/3/5 ホーム

★ 側弯症の治療:解剖学的考察に基づく構造的治療について ★

( 本ページのみが表示される場合、側弯症の治療 をクリックすることで左側に目次が表示されます )
コロナウィルスの蔓延に伴い、2020年の春より、呼吸の改善をテーマにして、施術の実験を行って来ました。
( 施術の実験自体は、2014年頃より、その時々でテーマの変遷はありますが、継続して続けています )
コロナに対しては自然免疫系のアップが有効であり、免疫系のアップには白血球の血中濃度の増加が直接的に寄与し、その為には入り口である呼吸の改善のが必須の為、研究を推し進めました。
施術による呼吸の改善とは、鎖骨や肋骨、脊柱、要するに骨そのものの歪み、これらを繋ぐ筋肉の歪み、左右の肺に挟まれている縦隔(心臓、食道、気管、大動脈、大静脈)の歪み、肺そのものの歪み、これらの歪みの解放であり、これらの解放は直接的に呼吸の改善に寄与します。
実際の研究について説明しますと、 先ず実験の協力者が必要で、協力者に付き合ってもらい色々と施術の試行錯誤を繰り返す訳ですが、上記要素の解剖学的な理解に基づいて、歪みの解放により呼吸の改善に効果のありそうな部位を私が特定し、その部位に対する施術が可能か否かを確認する意味も含めて先ず協力者に施術を行いますが、殆どの場合手や指の使い方を工夫することでそれらは可能です。
次にその施術を私に対して行ってもらい、施術の効果についての検証を行う為、協力者にもある程度の技量は必要ですが、施術に対してリアルタイムでアドヴァイスを行いますので、それがこなせればOKです。
ここで、私が実際に受けてみることはかなり重要で、受け手の側として施術についての検証を行うと同時に、結果としてどの様な効果が実際に得られるかが私の身体感覚として確認可能となり、施術における改善点や、微妙な力加減の入れ具合をリストアップし、その結果を元に再度協力者に対して施術を行う、等々を繰り返して完成度を高める訳ですが、これらの過程での効果の程度や、どの様なアプローチをピックアップし、それらを限られた時間の中でどの様に組み立てるか、等々の判断が必要になりますが、前述のように全て私の身体感覚をベースにして進めて行きます。
これらの試行錯誤の過程を経ることで、患者に対して私なりの確信を持った施術が可能になります。
同時に、これも重要な点なのですが、私自身の歪みが開放され、呼吸も深く大きくなり、存在のクオリティアップが如実に感じられ、本当に気持ちが良いのです
自分の身体の歪みが開放され、コンディションの改善が実感出来ることの嬉しさは、格別なものがあります。
自分の身体が改善されることに対するこの様な嬉しさには伏線があり、私は会社員時代が長かったのですが、組織の中で働くと言う行為が全く、と言うより完全に自分に合わず、心身ともにかなり痛めてしまいました。
『 このままでは、まさに死せる魂である。 』 と如実に感じた訳です。
同時に、そのころ心理療法を学びつつあり、国分康孝氏の『 カウンセリングの理論 』 と言う本に出会い、この中のゲシュタルト療法について述べている章の中にボディワークと言う1節があり、『 トラウマは筋肉に溜り、このトラウマを開放する特殊なマッサージがある。』 との記述があり、『 そうかぁ〜、自分の心身のダメージはまさにこれかも知れない。これらを解放する手技があるのかぁ〜。 』 と深く感じ入った次第です。
因みに、この本はハードカバーの本格的な学術書であり、1980年の初版ながらまだ版が重ねられており、アマゾンより内容の概略を見ることが出来ます。
要するに、本書は消耗品的な内容の薄っぺらいムック本とは異なり、『 ここで述べられているからにはこの説は信用に値するのでは無いか 』、との思いが契機の1つとなり会社を辞めて今の仕事にシフトした訳であり、開業当初から暫くはこの様な視点で臨床に臨んでいましたが、現在の知見から見ると、当時はトラウマに対する解釈も若干プアだった感じもあり、若干違うかな、と言う感じはあります。
いずれにしましても、私自身が自分の身体を徹底的に痛めてしまった経験があり、これが上記の気持ち良さや自分の身体が良くなることに対する嬉しさの原点になっている訳です。
若干脱線しましたが話を戻し、これらの知見は側弯症の治療に於いても、そのまま適用可能で、側弯の改善による呼吸の改善等々、何よりも側弯の症状自体の改善による自分の身体が改善されることの嬉しさ、気持ちの良さ、存在のクオリティアップ、等々を実感して頂けるのではないか、この様に考えている次第です。
また、これらの実験から得られたことはフリーハンドによるイラストを交えた記録として残していますが、その場の時間内で残すことが肝要で、時間がたってしまうと正確な記録は困難になり、出来上がった記録は協力者にもシェアしています。
この時、イラストを交えることが重要で、かなり複雑で緻密な実験ですが、対象となるエリアの解剖図を眺めながら呼吸の動作を頭に浮かべていると、新しい部位への施術のアイデアは次から次へと浮かび、これらを基にして隔週等で延々と実験を進めますので、患部に対する手や指の位置関係、力の加え方やベクトルは記憶のみでは限界があり、イラストを伴う記録として残しておかないと、臨床の場での再現が困難になります。
フリーハンドのイラストを交える件に関しては、前職で機械の設計に従事していたことが役に立っていますが、私は前世の記憶が幾つもあり、前世でも幾度か機械の設計をやっていた様です。
この下に、実際の実験記録の1部分を参考までに載せます。(解像度を落としています)
実際の施術時に、患者さんにもよりますが、これらの記録をお見せしながら施術の説明を行う場合もあります。
鎖骨下筋の開放の実験記録(参考) 第1肋骨の開放の実験記録(参考)
こんな感じで毎回記録を残していますが、記録は多ければ多いほど良いと言うものではなく、
A4の用紙1枚に簡潔にまとめることで、臨床において使い勝手の良い資料となります
繰り返しになりますが、これらの試行錯誤の過程で、胸郭の歪みの改善についても色々な新しい知見が得られ、これらの知見は側弯症の治療に対しても、有効に活用が可能であると考えています。
( この1例を、補足:首から肩 の中の、『 鎖骨について 』 で説明しています )
1回の治療で改善を実感して頂ける場合も多いですが、ある程度の連続的な治療で安定した効果が見込まれ、成長における側弯症の進行に対しても、充分に改善が可能であると考えています。
また、ここで述べているポリシーによる治療が、ご自身の側弯症に対して改善の可能性を感じられましても、色々な疑問等もあるかと存じます。
メールにて質問して頂ければ、必ず返答いたしますのでよろしくお願いいたします。( 三谷 )
 2024/1/26 全面的に見直し完了いたしました
側弯症で悩まれている方は多いと思います
ここでは、側弯症に対するアプローチの1つの考え方、治療方法を示しています、参考になれば嬉しいです
側弯症について、2014年の初頭より幾人かの方を治療しました。
その感触より、側弯症とは単なる背骨の弯曲を超えて、胴体を中心に首から肩、腕、、骨盤から脚、これら全てが複合して全身の歪みとして側弯を形成していることが判って来ました。
これらの、全身の歪みを一つずつ丁寧にリリースして行くことで、改善が可能です。

SUMMARY(要約)
1、 側弯症は胸郭が歪み、捻れを伴って湾曲した疾病ですが、この弯曲及び捻れは胸郭の部分が最大であり、同時に全身に及んでいます。
これらの歪み及び捻れは、個々の小さな歪みの集合としてシステム全体が構成され全身に及んおり、歪みを一つ一つ丁寧にリリースすることで治療が可能です。
2、 歪みは、パーツとパーツの接合部分、若しくはパーツそのもに発生している場合もあります。
中心的な部位である、胸郭部分の歪みの主な構成要素を以下に挙げます。
・24個のパーツより構成されるの胸椎(12個の椎骨と12個の椎間板)
・3個のパーツにより構成される胸骨(胸骨柄、胸骨体、剣状突起)
・22箇所の肋間筋(肋骨と肋骨を上下に繋ぐ筋肉、部分的に強い歪みが発生している)
・24箇所の肋椎関節(関節は骨と骨の接合部分であり歪みが発生しやすい)
・14箇所の胸肋関節(同上)
・縦隔(心臓、大動脈、大静脈、食道、気管支、これらの集合体の総称、心臓の歪みは影響が大きい
・横隔膜(横隔膜そのものの歪み・癒着、剣状突起、肋骨及び腰椎との付着部の歪み)
3、 これらの総計は膨大な数になり、個々の要素一つ一つに歪みが存在し、トータルでシステムとして胸郭全体の歪み捻れ、側弯を構成しています。
そして、このシステムは、ループを形成することで閉鎖系となり、歪み捻れを保持する機能として作用しています。
4、 個々の歪みがトータルとして胸郭の歪み捻れを形成することは、全身にも当てはまり、頭蓋、頚椎、腕、上記胸郭、腰椎、骨盤、脚、全ての歪みが関係して、全身でシステムを構成し、全身の歪み捻れを作り出しています。
同様に、これも、やはりループを形成することで、全身で歪み捻れを保持する機能として作用しています。
5、

実際の臨床では、歪み大きい部位から開放を進めることが効果的な治療となります。(2024/3/6追記)
この部位を特定する技術が触診技術であり、治療家の技量が問われる訳です。
全ての人間は、複数の周期的なエネルギーの動きを有しており、当方では、骨格系の動きである『 頭蓋リズム 』 及び全身のパーツの動きである『 モティリティ 』 、この2つを実際の物理的な要素への触診と併せて知覚することで、歪みの大きい部位の特定が可能となります。
『 頭蓋リズム 』 及び『 モティリティ 』 につきましては『 治療の共通概念 』 で詳述していますので、参照下さい。
6、 個々の歪みには、各々最適な技法を使用しますが、基本、『 間接法 』 と呼ばれるテクニックを使用します。
間接法は、ほぼ全身の物理的な歪みに治療が可能と同時に、チャクラ等のエネルギーを含むあらゆる部位にも適用が可能で、『 治療の共通概念 』 で詳述していますので、参照下さい。
同時に、繰り返しになりますが、治療効果を得る為には、全体と部分のバランスを考慮しながら個人個人で異なる歪みのパターンに合わせて、歪みの大きな部位から、リリースを進める必要があります。
従い、効果的な治療には、高度な触診技術、構造把握能力、及び治療技術が要求されます。
7、 これらの歪みは一般の患者にも存在していますが、側弯症の特徴的な傾向として、部分的に特に強い歪みが存在し、身体を強く歪ませ、側弯症の症状を作り出しています。
8、 側弯症の改善により、全身を使った歩行が可能になり、更に、全身を使った歩行は、治療効果の維持と同時に側弯症の進行を妨げる作用も期待できます。
・以下本文になります、順を追ってもう少し詳しく丁寧に説明をすすめます。
尚、本文としましては、側弯症の中心となる胸部、及び、全身については症状に特徴的な部位に関して詳しくお伝えし、それ以外は 『 補足 』 としてページの後半でお伝えします。
1、側弯症について
側弯症とは、背骨が蛇行するように湾曲し、捻れた症状で、その程度は個人差が大きいですが、湾曲の角度がある一定のレベルより大きいと、外科的な手術を勧められるようです。
側弯症は、文字通り背骨が側弯しているのですが、一般的な症状は、側弯と同時に背骨を含む骨格に回転方向の捻れが発生しており、この捻れに伴って頚椎から胸郭全体、骨盤、まで歪んだ状態になっています。それに伴い肩甲骨の高さが左右で違っていたり、肋骨が部分的に飛び出していたり、骨盤の歪みから腰骨の高さが左右で違っていたり、色々なところに影響が出て来ます。
更に、肩甲骨の高さの違いは腕に影響を及ぼし、骨盤の歪みは脚に影響が及んでいたりします。
全身が歪んだり捻れたりすることで、歪みや捻れが相互にバランスを取り合うことで、構造的な関係性を作ってしまい、それ自体でそれを定着させる機能として作用している傾向があります。
側弯症の身体への影響ですが、側弯の程度にもよりますが、普段の生活には特段支障が無いケースも多い様です。
しかし、脊椎を含む骨格が3次元的に歪んでいるため、症状が進むと臓器への影響、特に心肺機能障害を起こす危険性があります。
また、腰椎や骨盤の歪みにより、腰痛を誘発するケースもあるようです。
治療としては、外科手術が一つの方法として推奨されるケースが多く、手術に踏み切るか否か、悩まれている方も多いようです。
2、胸部の構造について
胸部の構成について、側弯症を理解するために必要と思われる部分に絞ってお伝えします。
胸部を解剖学的にみると、骨格系として『 胸郭 』 があり、胸郭に支えられる形で、その周りに『 胸部組織 』 が付着し、胸部を構成しています。
また、骨格の中心である背骨は、上から頚椎、胸椎、腰椎、と3つに分れ、胸椎の部分が胸郭を支えています。
胸郭構造図
次に、胸郭の構造について説明します。(右図参照)
胸郭は、前側に 胸骨、左右両側方に 肋骨、後ろ側に 胸椎があり、胸骨と肋骨は『 胸肋関節 』、肋骨と胸椎は『 肋椎関節 』 と呼ばれる関節になっています。
(関節は、双方の頭文字により表示する場合が多いです)
更に、肋骨と肋骨の間には、『 肋間筋 』と呼ばれる筋肉があり、肋骨と肋骨を上下に繋いでいます。
この様に、胸郭は骨格で篭状に形成されてループを作っており、同時に肋間筋が肋骨と肋骨を繋ぐことで補強の役目を果たし、かなり強固な構造になっています。
そして、肋間筋、縦隔、肺、横隔膜、等々の『 胸部組織 』 が胸郭に付着する形で、胸部が形作られています。
・組織の歪みについて
側弯症の症状とは、一言でいえば、胸部を中心にした全身の歪みですが、先ず、『 歪み 』 について簡単に説明します。
人間の身体の歪みは、大きく2つに分けることが出来ます。
・1つは、パーツとパーツの継ぎ目の部分に発生し、その代表的な部位が関節です
関節は、異なる骨同士の継ぎ目であり、滑り面と滑り面が結合組織である靭帯で包まれている場合(股関節、肩関節、etc‥‥)と、繊維性の結合組織で直接繋がっている場合(頭蓋の縫合関節、骨盤の仙腸関節、etc‥‥)があり、これらの、『 結合組織 』 に歪みが発生しやすく、歪みが発生すると可動範囲が狭くなったり、可動範囲の中心がズレたりします。
側弯症に関しては、繊維性の結合組織で直接繋がっている関節である、胸肋関節や肋椎関節に歪みが発生し、胸郭の歪みとなります。
また、縦隔についても、各々のパーツは結合組織による膜で仕切られ、これらの膜にも歪みが蓄積されています。
・もう1つは、パーツそのものに発生します
筋肉そのものに歪みが発生したり、骨そのものも、骨膜、緻密質、骨髄の3層構造であり、各々の層に歪みが発生します。
側弯症に関しては、肋間筋や横隔膜、肋骨そのもに歪みが発生しています。
・胸部の歪みについて
側弯症の中心である胸部の歪みですが、通例、胸椎が左右に蛇行し、同時に胸郭全体が捻れる様に形成されています。
この歪みや捩れは、上記の色々な要素の歪みが相互に関係し、全体としてバランスをとり、歪みや捻れを固定化させる機能としても作用してしいます。
ですので、歪みや捻れは構造的に強固に保持され、普通のマッサージ等では殆ど効果が望めません。
しかし、細部に着目し、一つ一つを丁寧にリリースして行く事により、治療が可能になります。
ここで、以上を表にしてまとめます。
★胸郭を構成する主な要素
これら全てに歪みの発生の可能性がありますが、全て歪みの解放が可能です。
但し、それ相当の手間はかかり、また、治療家にはそれ相当の技量が必要になります。
胸郭 胸椎 胸椎は12個の椎骨と、椎骨に挟まれている椎間板より構成されています
肋骨 椎骨の両側は、肋骨が左右に伸び、円弧を描いて前面で胸骨と合流しています
椎骨と肋骨の結合部分は、『 肋椎関節 』と呼ばれる関節になっています
肋骨は、片側に12本、左右合計24本あり、肋椎関節も24箇所あります
胸骨 胸部前面にあり長方形です、胸骨と肋骨の結合部分は、『 胸肋関節 』 と呼ばれています
下部の肋骨は合流しているため、胸肋関節は片側に7箇所、左右合計14箇所あります
胸骨は3つのパーツに別れ、下側の剣状突起周りに、特に歪みが蓄積しています
(胸椎、肋骨、胸骨、これらで胸郭が構成されています)
胸部組織 胸郭上口 胸郭の上側を覆う膜組織があり、是靭帯とも呼ばれています
横隔膜 胸郭の下側に位置し、上下の動きにより呼吸を主導する筋肉です
肋間筋 肋骨と肋骨の間にある筋肉で、3層になっています
片側11箇所、両側で22箇所あり、歪みを溜め易い筋肉です 
縦隔 心臓、大動脈、大静脈、食道、気管支、の集合体の総称です
治療としては、心臓及び大動脈等の血管が急所になります
胸郭の中で左右にあり、右側は3つの、左側は2つの肺胞に分かれています
肺の解放は肺静脈の開放が急所になりますが、側湾症の治療としては優先順位は低いです
(上記が代表的な胸部組織になります)
3、触診について(2024/3/6、追記)
ここまで、胸部の構造について説明して来ましたが、これらのどの部位にも歪みの発生の可能性があり、歪みの大きい部位から順に施術して行く事が、効果的、且つ効率的な治療になります。
当方では、物理的な周期性の動きである呼吸における胸郭の動きと併せて、エネルギー的な動きも同時に知覚することで、全身を俯瞰しての知覚が可能となり、必然的に治療の優先順位も明らかになり、その感覚に従って治療を進めます。
エネルギー的な動きとしては、頭蓋リズム、ミッドタイド、ロングタイド、モティリティ、等々がありますが、ここでは、頭蓋を起点とする全身の骨格系の開いたり閉じたりの動きである『 頭蓋リズム 』 及び、全身のパーツにおいて発生しているエネルギーの入ったり出たりの動きである『 モティリティ 』 、これらの知覚を活用しています。
『 頭蓋リズム 』 及び、『 モティリティ 』 につきましては、『 治療の共通概念 』 で詳述していますので、参照下さい。
4、胸郭の歪み、及び捻れ、これらの治療について
ここまで、胸部の構造について説明して来ました。
以上を踏まえて、実際の治療について説明します。
★胸郭の歪み、捻れ
胸郭の、主な歪み、捻れは、22箇所の肋間筋、24箇所の肋椎関節、14箇所の胸肋関節、これらに部分的な強い硬化が発生し、前後左右や上下でアンバランスとなることで発生しています。
そして、個々の歪みや捻れが相互に関係することで、全体の歪みや捻れが固定化されています。
言い換えると、部分的な強いアンバランスが全体としてバランスすることで、症状が保持されているとも考えられます。
・1例として肋間筋の歪み、及びアプローチの概観についてお伝えします
胸部の歪み捻れを作り出している要素は無数にありますが、比較的理解し易いと思われる肋間筋の歪みから説明します。
肋間筋は、上下に隣り合う肋骨と肋骨の間にあり、自分で自分の肋間筋を触ってみる事も可能です。
触ったくらいでは判りませんが、この肋間筋は異なる3層の筋肉で構成されており、筋肉繊維の方向はそれぞれ異なり、呼吸時には複雑な動きにより胸郭を開いたり閉じたりしています。
側弯症の場合、ほぼ全てのケースで、この肋間筋が部分的に強く硬化していると考えられます。
筋肉が3層から構成されることで、特に硬化し易い要素を有しています。
ここで、胴体の柔軟性と言う観点から考えてみましょう。
この肋間筋は、肋骨と肋骨の間にあり、上下の肋骨を繋いでいます。
筋肉は本来ある程度の柔軟性を持ち、収縮可能ですが、滞りが発生すると硬くなる場合があります。
そして、筋肉が滞って硬くなると、筋肉そのものも収縮した状態に陥ってしまいます。
肋間筋に柔軟性があると、胸郭全体に柔軟性がありますが、滞りが発生し硬くなってしまうと、胸郭全体の柔軟性も失われてしまいます。
更に、部分的に強く硬くなると、その部分は肋間筋そのものも収縮した状態となり、胸郭全体に歪みや捻れが発生することになります。
以上が側弯症の胸郭の歪みの要素の一部となります。
そして、この肋間筋ですが、治療の共通概念 で説明している、間接法と呼ばれる技法で開放が可能です。
ただし、左右で22個所ありますので、全体をリリースするためには1箇所当たりにかかる時間の22倍の時間が必要になり、かなり大変で地味な作業となります。
一般の治療においても、例えば呼吸の改善のために必要に応じてアプローチすることはありますが、誰に対してでもアプローチする部位ではありません。
・次に、実際に肋間筋を治療した様子をお伝えします
さて、側弯症の治療として実際に肋間筋にアプローチしてみた感じですが、この肋間筋が、部位によって異様に硬くなっていたり、部位によってはその反対で力の無い感じで柔らかくなっています。
特に側弯症の方に限らず、肋間筋の硬さにばらつきは普通に見られますが、側弯症の方のそれは、一味違うダイナミックな硬さとアンバランスを感じます。
そして、これらを丁寧に緩めて行く事により、側弯症は徐々に改善して行きます。
しかし、前述の通り(ダイナミックに)硬くなってしまった肋間筋を緩めるには、それなりの手間を要し、アンバランスが強い場合は、全体について複数回のアプローチが必要になる場合もあります。
テクニック的には、筋肉繊維の硬化や収縮の方向や程度を正確に掴み、主に間接法を適用し、部位やコンディションにより、直接法や中間法を組み合わせ、更にアプローチのエリアをどの範囲に絞るか、等々を状況に応じて使い分けてリリースを進めます。
高度な触診技術と治療技術が要求されるアプローチです。
そして、この様にして肋間筋のリリースを行うと、改善の程度は個人差がありますが、側弯の症状は徐々に、しかし、確実に改善されます。
但し、あくまで側湾を構成している要素の1部分がリリースされただけで、歪みや硬化はまだまだありますが、胸郭の歪みや捻れが改善する効果は体感的に感じられる場合も多く、また、目視でも改善が確認可能で、改善を実感して貰える場合が多いです。
★そして、この部分的に強く硬くなっている感じは、22箇所の肋間筋と同様に、24箇所の肋椎関節、14箇所の胸肋関節、にも当てはまります。
肋椎関節や胸肋関節につきましても間接法(直接法、中間法も含む)の適用が可能で、側弯症の場合、やはり部分的にダイナミックに硬くなっているケースが多いです。
この部分のリリースにより側弯の症状は確実に改善されますが、これも側弯の要素の1部分のリリースではあります。
以上、胸郭の代表的な要素を、部分に分けて、その構造及びリリースについて説明しました。
ここで再度まとめてみます。
側弯症の場合、胸郭は、肋間筋(22箇所)、肋椎関節(24箇所)、胸肋関節(14箇所)、これらは全体として60箇所( 22+24+14=60 )の要素になり、部分的な強い硬化(部分的なアンバランス)を起こし、歪みや捻れが発生していますが、全体としてはそれなりにバランスを保っています。
これらを、一つずつ、主に間接法を用いて丁寧にリリースして行くことで、側弯症は徐々に改善されて行きます。
以下、骨格系の前側(胸骨)、後ろ側(胸椎)、及び胸部組織について補足します。
(説明のために、胸部構造図を再掲示します)
★胸骨、及び肋骨、鎖骨
胸の正面にある、長方形の骨で、この骨は上から、胸骨柄、胸骨体、剣状突起、と3つの部分に分かれ繊維性の結合組織で繋がっており、その接合部分は若干ですが可動性があります。
これらの接合部にも歪みが蓄積しており胸郭の歪みの1部分となっています。
また、胸骨そのものにも、歪みは蓄積されており、胸郭の開放には、これらのリリースも必要にると同時に、肋骨については、第1肋骨及び第2肋骨が急所となり、また、鎖骨及び鎖骨下筋の開放も効果が期待されます。

胸部構造図
また、剣状突起の下端は横隔膜に繋がっていますが、横隔膜のこの辺りに強い歪みが溜まっていることがしばしばあります。
★胸椎そのものの歪みについて
胸郭の歪みについて前述しましたが、胸郭の軸に相当する胸椎そのものについても、同様に歪みと捻れがあります。
特に、胸椎の上部の第1肋骨にある左右の肋椎関節、胸椎の最下部の第12肋骨にある左右の肋椎関節に、歪みが集中しているケースが多いです。
これらの関節に対しましても間接法の適用が可能であり、結局のところ、間接法は相当にオールマイティな技法であることがお分かり頂けると思います。
これは、構造的に上記2箇所が不連続点になっており、応力集中による応力歪が蓄積し易いことに起因しています。
因みに、歪み的には外側から内側に向かってリリースして行く方法が効果的であり、この辺りのリリースは、ケースバイケースではありますが、治療としてはある程度改善が進んでからになります。
★胸部組織の歪みや捻れについて
骨格系と同時に、胸部組織である縦隔や肺、横隔膜にも歪みや捻れが発生し、胸郭の歪み、捩れの1部分となっています。
・縦隔について
縦隔は、心臓、大動脈、大静脈、食道、気管支、の集合体の総称で、これらの組織は、身体の屈伸や捻り等に伴い、本来個々に位置関係をズレることで動けるものです。
しかし、これらの組織は、パーツとパーツの接合部分で軽い癒着を起こし易く、往々にして歪んだ状態で軽い癒着を起こし、胸郭の歪みを固定化する要素の1つとなってしまいます。
・心臓について
心臓は縦隔の中核を為す、強大なエネルギーを有した臓器です。
心臓の治療の場合、先ず、『 心耳 』 と呼ばれる心臓の左右両端にある組織の開放から進めます。
次に、心臓を包んでいる、3層の心膜の開放を行います。
心膜の解放の場合、心臓上部にある、膜の折り返し部分に歪みが蓄積している場合が多く、この折り返し部分に間接法を適用します。
次に、大動脈を構成している血管の歪みに対しても、間接法を適用します。
(大静脈に関しては、大動脈に比べると、歪みは少ない様です)
因みに、コロナウィルス、及びコロナワクチンにより発生するダメージにより、心筋梗塞、心筋炎が報告されていますが、上記治療はこれらのダメージに対しても、効果が得られます。
・肺について
肺は、肺胞と呼ばれる包みに分かれています。(右肺は3個、左肺は2個))
肺胞同士が癒着しているケースがあり、こうなると肺そのものが歪み、胸郭の歪みを固定化する要素の1つとなってしまいます。
これらは、肺静脈の開放で肺そのものの活性化が図れ、肺の解放は生命エネルギーの活性化にも繋がり、色々な有意義な要素があります。
・横隔膜について
横隔膜は、胸郭の下部の開口部を覆うように付着している筋肉で、胸郭の歪みは横隔膜と相互に関係しています。
そして、横隔膜の最前部は剣状突起に付着しており、側弯症の場合、横隔膜の剣状突起との付着部周りに強い歪みがあります。
また、横隔膜の最後部は脚と呼ばれて腰椎に付着しており、この部位も歪みが発生しやすい様です。
これらの歪みも胸郭の歪みを固定化する要素の1つとなっており、リリースが可能です。
これらのアプローチは全て間接法の適用が中心となりますが、解剖学的に立体的な構造理解が治療効果を左右し、これらを地道に行うことにより、少しづつですが、側弯症は確実に改善して行きます。
5、全身の歪み、捻れ、これらの治療について
前項で、胸部の歪み、捻れの治療について説明しました。
側弯症の治療において胸部はその中心になる部位ですが、個々の歪みが相互に関係し合い、胸部全体の歪みや捻れを構成していることをお伝えしました。
実は、これらの歪みや捻れは、全身についても同様な関係性を有しています。
但し、全身になりますと、胸部より関係性は薄くなって来ます。
これらの関係性の概略を表に現すと、以下のようになります。
頭部 骨格系 頭蓋骨、23個の骨片から構成されており、歪みが内在しています
この表の下にも簡単に記述していますが、詳しくは 頭蓋仙骨治療 を参照下さい
硬膜 頭蓋骨から脊柱までの内側にある膜組織
筋肉系 特に咀嚼に関わる筋肉(側頭筋、内側翼突筋、etc・・・)が関係
首から肩 骨格系 頚椎、鎖骨、肩甲骨、
筋肉系 首から肩周りの筋肉、主に肩甲挙筋、
★ 左右の肩の段違いには、肩甲挙筋へのアプローチが急所になります
骨格系 鎖骨の歪み、尺骨と撓骨の位置関係
胴体上部
( 胸椎 )
( 前述 ) ( 前述 )
胴体下部 骨格系 腰椎、骨盤、仙骨、股関節、
★左右の腰骨の段違いに、これらの骨格系・筋肉系へのアプローチは必須です
筋肉系 大腰筋、腰方形筋、多列筋、殿筋群、(書ききれません・・・)
内臓系 側弯症に関係する臓器は、腎臓が挙げられます
腎臓は相当に力のある臓器で、腎臓周りの歪みは胴体下部の歪みと繋がっています
歩き方にも影響があり、治療としては早い回でリリースを図ります
骨格系 大腿骨、脛の部分(脛骨、腓骨の歪み)、足(アーチの歪み)
筋肉系 内転筋群、腓骨筋、ヒラメ筋、アキレス腱、 
これらの、個々の問題につきましては、かなり細かくなります。
ここでは、側弯症の治療で急所となる以下の項目の説明にとどめ、他は補足としてこの項のページの下部にある、『 補足 > 全身の歪みについて 』 にて説明します。
・左右の肩甲骨の段差:肩甲挙筋
肩甲挙筋位置関係図
・胴体の歪みの急所:腎臓
5−1、左右の肩甲骨の段差:肩甲挙筋
肩甲挙筋は、その名の通り肩甲骨を挙上する役割を担う筋肉で、上側は頚椎に下側は肩甲骨の上辺の内側に付着しています。
機能としては、筋肉が収縮することで、頚椎に対して肩甲骨を挙上します。
筋肉の骨格への付着部を固定側と可動側に分けた場合、頚椎との付着部が固定側になり、肩甲骨との付着部が可動側になります。
側弯症の場合、胸椎の歪みが側弯を構成する最も中心となる歪みの1つですが、胸椎と繋がっている頚椎にも歪みがあります。
この歪みが、頚椎と肩甲挙筋の付着部を歪ませ、肩甲挙筋の位置を変位させて、肩甲骨の左右の段差の主要な原因の1つになっています。
肩甲骨の左右の段差の原因は、肩甲挙筋以外にもありますが、肩甲挙筋のウェイトが最も大きいと思われます。
・治療について
先ず頚椎の歪みをリリースします。
この方法は、やはりメインは 間接法を適用して治療を用いますが、幾つかの方法があり、以下に示します。
・頸椎の椎骨そのもに、間接法を適用します。
この時、それぞれの椎骨に対して、骨膜、緻密質、骨髄、とアプローチを正確に分けて行うことが急所になります。
・軟骨である、椎間板に対して間接法を適用します。
・頸椎は部分的に固着しているケースが多く、その場合は直接的なアプローチを適用します。
・上下で連結している頸椎を構造的に診ますと、可動可能な方向があり、その方向に沿って間接法を適用します。
次に、頚椎と肩甲挙筋の付着部の歪みをリリースします。
リリースの方法ですが、単純に首のサイドをマッサージするような方法では、殆ど効果が出ません。
首のサイドから丁寧に触診し、筋肉の歪みを知覚して歪みの方向に合わせて間接法を適用して徐々にリリースして行きます。
肩甲挙筋と肩甲骨の上辺の内側との付着部も同様にリリースを行います。
尚、一連の上記アプローチは、首から肩にかけてのしつこい首凝りに対しても、とても有効なアプローチになります。
5−2、胴体の歪みの急所:腎臓
腎臓はおへその両側の背中側にあり、腎臓から眺めると、腎臓の周りには、後ろ側に腰方形筋、内側に大腰筋、上側に横隔膜、これらが付着していますが、腹部全体より眺めると、横隔膜からぶら下がる感じで、腰方形筋の手前側、大腰筋の外側に、これら筋肉と付着する構造で位置しています。
腎臓、左右解剖図    左腎臓断面拡大図
腎臓そのものは、かなり力のある弾力性を有した臓器で 背中側にはありますが、腹部正面より臓器を介して触診が可能で、健康な腎臓は若干ですがコリコリとした感触があります。
腎臓が付着している、横隔膜、腰方形筋、大腰筋は代表的なコアマッスルで、側弯症の場合、これらの付着部の歪みにより、胴体の弯曲や歪みが保持される感じです。
ですので、腎臓及びこれらの付着部の開放は、側弯症の改善にダイレクトに繋がる場合がありますが、前述の通り、弯曲や歪みは複数の要素のより並立的に維持されており、全体の解放の中の重要な1部分として捉える必要があります。
・腎臓の歪みの種類:4種類
上記、腎臓の位置づけをお伝えしましたが、腎臓に発生する歪み等は、大別してこの下に示す4種類になります。


腎臓断面拡大図(再掲示)
・腎臓の歪みの知覚
治療の共通概念 の項で述べていますが、全ての臓器は、モティリティ と呼ばれる揺動運動を繰り返しており、この動きは物理的な動作ではありますが、ブレスオブライフと呼ばれるエネルギー的な動きの顕現として現れており、エネルギーの操作や知覚に熟練して来ますと、物理的に触診して知覚するよりも、エネルギー的な知覚の方が的確に歪みや滞りの状態を掴むことが可能になります。
治療の共通概念 の項に、 頭蓋リズム、及びモティリティ について説明していますので、参照ください。)
モティリティについて、極々簡単にお伝えしますと、動く量は0.01mmレベルで、7〜8サイクル毎分、エネルギーが入って来ることによる広がる動き(インスピアと呼ばれています)と、エネルギーが排出されることによる閉じる動き(エクスピアと呼ばれています)、を繰り返しています。
・腎臓の歪みのパターン
歪み等の種類 知覚される腎臓のモティリティ 治療方法
・腎動脈の硬貨、収縮 内側に引っ張られながらの動き 腎動脈に間接法を適用
・尿管の硬貨、収縮 内側と同時に下方に引っ張られながらの動き 尿管、及び膀胱に 〃
・副腎の滞り 上部がフラフラした動き 副腎そのもの、腎臓との付着部、副腎動脈に 〃
・周囲との付着部の歪み インスピア、エクスピア、共に全体的に制約を受けた動き 付着部に 〃
・腎臓の歪みの開放
原則として、間接法を適用しますが、状況により、直接法、中間法、を適宜適用します。
間接法につきましては、治療の共通概念 を参照下さい。
5、側弯症と筋膜
側弯症と筋膜の関係についても、述べておきます。
筋膜とは、読んで字の如く個々の筋肉を包み、同時に隣り合う他の筋肉との境界を作っている組織で解剖学的には結合組織と呼ばれています。
この筋膜ですが、色々な筋肉を横断する感じで全身の表層から深層までに張り巡らされており、通常の治療では身体の歪みに対して筋膜の解放は多大な効果が得られる場合があります。
それに対して側弯症の場合、もう少しダイナミックに体幹に歪みが発生している感じで、筋膜の歪みの影響は少ない感じであり、言い換えると、体幹に歪みにより、逆に筋膜が歪まされている感じもあります。
ただし、やはり、全身にとって主要な筋膜である、浅胸筋膜、鎖骨胸筋筋膜、胸腰胸、大腿筋幕、足筋膜、これらについては、一通り開放しておくと、他のアプローチを底支えする感じもあります。
6、歩行について
側弯症の場合、歩行時に骨盤や背中が殆ど動いていない方が多いです。
脊柱の側弯により軸が歪んでしまい、動けなくなっている感じです。
側弯症の改善に伴って、同時に骨盤や脚に働きかけることで、歩く時に骨盤や背中が動くように促します
背中や骨盤が動くことで改善の効果の戻りが抑えられ、身体も活性化します。
私は、元々ロルフメソッド の施術者として、1999年に開業しましたが、ロルフメソッドでは歩き方の改善が中心テーマの1つに位置付けられており、これらのノウハウをフルに活かした治療を提供しています。
実際に、数十年動いていなかった骨盤や背中が動き出すケースが多いです。
歩き方や靴についても、アドヴァイスをさせて頂きますので、無理なくこの様な歩き方を身に付けることが出来ます。
 ・側弯症の進行について
側弯症につきましては、加齢により徐々に進行することを危惧されたいる方も多いようです。
前述の通り、最初に歩き方を見せて頂きますと、歩行時に骨盤や背中が殆ど動いておらず、脊柱の側弯により軸が歪んでしまい、動けなくなっている感じを受けます。
治療を続けますと、側弯症は徐々に改善されて行くケースが多いのですが、側弯症はまだまだ残っていましても、歩き方が改善されて骨盤や上半身に動きが出てくる場合が多いです。
以下は私の感じですが、歩行時に骨盤や上半身に動きが出てくることで、側湾の進行も防げるのではないかと感じています。
因みに、骨盤や上半身に動きが出ますと、身体自身がその方が楽で快適ですので、戻ることは殆どありません。
 ・歩行時の身体の軸について
側弯症の治療におきましても、必要に応じて歩き方を診せていただいていますが、治療を続けて行きますと、側弯症が徐々に改善されて行き、側弯の症状は残っていましても、ある時から、歩行時の身体に軸が現れて来ることがあります。
ここまで来ますと、本質的な意味で、改善は相当進んでいると思われます。
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以下、補足になります
T、 全身の歪み、捻れ、これらの治療について
側弯症は、その歪みや捻れが全身に渡っており、上記本文では胸部について詳しくお伝えしました。
これらの歪みや捻れは、全身についても同様な関係性を有しています。
但し、全身になりますと、胸部より関係性は薄くなって来ます。
以下、全身の各部分について、補足としてお伝えします。
説明にあたって、本文で掲示した表を以下に再掲示します。
頭部 骨格系 頭蓋骨、23個の骨片から構成されており、歪みが内在しています
この表の下にも簡単に記述していますが、詳しくは 頭蓋仙骨治療 を参照下さい
硬膜 頭蓋骨から脊柱までの内側にある膜組織
筋肉系 特に咀嚼に関わる筋肉(側頭筋、内側翼突筋、etc・・・)が関係
首から肩 骨格系 鎖骨、頚椎、肩甲骨、
★ 左右の肩の段違いに、これらの骨格系・筋肉系へのアプローチは必須です
筋肉系 首から肩周りの筋肉、主に肩甲挙筋、
骨格系 鎖骨の歪み、尺骨と撓骨の位置関係
胴体上部
( 胸椎 )
( 前述 ) ( 前述 )
胴体下部 骨格系 腰椎、骨盤、仙骨、股関節、
★左右の腰骨の段違いに、これらの骨格系・筋肉系へのアプローチは必須です
筋肉系 大腰筋、腰方形筋、多列筋、殿筋群、(書ききれません・・・)
内臓系 側弯症に関係する臓器は、腎臓が挙げられます
腎臓は相当に力のある臓器で、腎臓周りの歪みは胴体下部の歪みと繋がっています
歩き方にも影響があり、治療としては早い回でリリースを図ります
骨格系 大腿骨、脛の部分(脛骨、腓骨の歪み)、足(アーチの歪み)
筋肉系 内転筋群、腓骨筋、ヒラメ筋、アキレス腱、 
以下、順を追って説明します。
★ 頭部の歪みについて(骨格系)
前述したように、歪みは部分的なエリアに限定されず、構造的につながり広がっています。
ですので、胸椎の歪み、捻れは頚椎につながり、更に頭蓋骨にもつながっています。
側弯症の効果的な治療のためには、頭蓋仙骨治療 も有効なアプローチになります。
1例を挙げますと、胴体部の歪みや捻れをリリースしますと、同じパターンで頭蓋に歪みが発生するケ−スがありました。
具体的には、毎回右側の額が膨らむケースで、毎回セッションの最後に頭蓋のこの膨らんだ歪みをリリースしていました。
一般的に、歪みは上方に抜けて行く傾向があり、この様なケースは、頭蓋にも歪みがあり、上がって来た歪みをそこで留めている感じでした。
1セッションかけて、頭蓋全体の歪みをリリースすることで、この様な傾向は無くなりました。
★ 頭部の歪みについて(硬膜)
硬膜と呼ばれる、頭蓋骨から脊柱(背骨)、これらの骨格系の内側で脳と中枢神経を包んでいる膜組織で、この膜組織に歪みがあると、骨格を内側から歪ませる力が働いてしまいます。
この膜組織をもう少し詳しく説明しますと、頭蓋の部分では脳を包み、同時に内側に2重膜として入り込み、左脳、右脳、小脳を隔てる隔壁を構成しており、連続して下降し、硬膜管となって脊柱の中を通り、この中に中枢神経が入っています。
( 因みに、隔壁は2つのパーツからなり、大脳鎌及び小脳テントと呼ばれています、これらの構造については、 頭蓋仙骨治療 のページで詳しく説明しています )
元々膜組織は歪みを溜め易い性質がありますが、この隔壁の部分は特に歪みが蓄積されやすく、この歪みは脊柱の中にある硬膜管の歪みと繋がり、脊柱を内側から歪ませていることになります。
ですので側弯症の治療としては、頭蓋及び硬膜管のリースは、とても重要だと考えています。
因みに、硬膜のリリースですが、うつ伏せになって頂き、背中側から硬膜管に対して間接法を適用することが可能で、身体の深いレベルでの歪みの解放は、側弯症に対しても効果が期待出来ます。
★ 首から肩について
首から肩につきましては、肩甲挙筋の要素が大きいです。
肩甲挙筋につきましては、本文中に詳述していますので、そちらを参照ください。
ここでは、鎖骨について以下に説明します。
鎖骨について
鎖骨と肩甲骨と胸骨柄を繋いでいる骨で、鎖骨の裏側及び外側部分と、第1肋骨の内側が、鎖骨下筋と呼ばれる筋肉で繋がれています。
上記、鎖骨及び第1肋骨、胸骨柄、鎖骨下筋は、内側に向かって閉鎖系を構成されており、積年の歪みが蓄積されています。
冒頭でお伝えしました呼吸の改善の一環として、これらの間接法による開放を色々と実験致しましたが、これらのノウハウは側弯症の治療に対しましても効果が期待されます
これらに付随して、胸郭の正面裏側に、胸黄筋と呼ばれる筋肉があり、胸黄筋の間接法による開放も色々実験致しましたが、これらも側弯症に対して深い部分からの効果が期待されます
★ 腕の歪みについて
書きかけです、スミマセン
★ 左右の腰骨の段違いについて
腰骨の左右の段違いも、左右の肩甲骨の段違いと並んで、側弯症で見られる所見の中で、最も顕著な事例の一つでしょう。
この問題は、腰椎の歪みと、それに繋がっている仙骨、及び骨盤の歪みから来ています。
 ・腰椎から仙骨にかけて
腰椎は5つの椎骨と椎間板より構成されていおり、腰椎そのもに歪みが蓄積している場合があります。
必要に応じてリリースを図ります。
特に、腰椎5番と仙骨の繋ぎ目の関節は、『 腰仙関節 』 と呼ばれ、私の場合、腰痛の治療には必須の部位ですが、側弯症の治療においても、必須の部位になります
 ・仙骨の歪みについて
仙骨は元々5個の椎骨が癒合して一塊となり仙骨が出来上がっています。
この為、硬さが均一ではなく、歪みが蓄積し易い部分です。
仙骨は骨盤の中心と同時に脊柱の土台でもあり、仙骨に歪みは身体全体の歪みと関係している場合が多いです。
側弯症の治療としては、ここも是非アプローチしておきたい部位です。
 ・仙腸関節について
仙骨の両側は腸骨と呼ばれる骨と、仙腸関節を構成しています。
この関節も、間接法の適用が可能で、これら3項目により、骨盤の効果的な開放が可能になります。
 ・殿筋について
臀部は多種多様の殿筋により構成されており、個々の筋肉の開放も可能ですが、大腿筋膜の開放としての施術が効果的な感じです。
側弯症の治療としてみると、骨盤の場合、骨格調整のプライオリティが高く、殿筋の調整のプライオリティは若干低くなります。
しかし、股関節の調整を行う場合、事前に双子筋のリリースが必要になるケースが多いです。
必要に応じてリリースを図りますが、梨状筋、双子筋、大腿方形筋、辺りは必須の感じです。
★ 腎臓と筋肉の付着部
腎臓と筋肉の付着部につきましては、本文に詳述しています、そちらを参照ください。
★ 脚の歪みのリリース
側弯症に限らず、身体の不調が脚の歪から来ているケースは多いです。
側弯症の場合の、脚の歪みとの関係を考察しますと、胴体の歪みと脚の歪みが構造的に関係しあい、相互に歪みや捻れを固定化しあっている感じです。
ですので、脚の歪みのリリースはとても重要です。
 ・脚の歪みについて
脚の歪みは、殆どの場合、脛にある2本の骨(脛骨と腓骨)が本来の位置からズレる事で起こります。
そして脛骨と腓骨の位置のズレにより、足の内アーチと外アーチも本来の位置からズレてしまい、これらの歪みは脚全体の歪みとなり、骨盤の歪みの元となり、全身の歪みと繋がっています。
具体的な治療は、脛の部分の脛骨と腓骨を繋いでいる骨間膜と呼ばれる膜組織のリリースを行い、次いで足の内アーチと外アーチの境界をリリースします。
これらのアプローチも、細かく述べようとしますと、膨大な分量になってしまい、手が回りません。
しかし、膨大なノウハウが得られており、必要に応じてハイレベルな施術の提供が可能です。
 ・足の歪みについて
足の場合は、内アーチと外アーチの調整になるのですが、もう少し詳しく説明します。
人間が立ったり歩いたりしている場合、身体全体を踵で支えています。
構造的には、踵の骨は、踵骨と呼ばれ、その上に距骨と呼ばれる骨が位置し、その上が足首になります。
この時、距骨は前述の内アーチの1部分であり、踵骨は外アーチの1部分になります。
ですので、内アーチと外アーチの調整とは、距骨と踵骨の調整でもあり、これらのアプローチも、細かく述べようとしますと、膨大な分量になってしまい、手が回りません。
1つだけお伝えしますと、距骨と踵骨を上下に繋いでいる、骨間距踵靱帯と呼ばれる靱帯があり、この靱帯へのやはり間接法の適用が可能であり、多大な効果が期待出来ます。
一般の治療としては、脚の歪みをリリースで頭蓋が緩んだり、胸郭が開いて呼吸が深く変化することはしばしば見受けられます。