HOME
★ 側弯症の治療:解剖学的考察に基づく構造的治療について ★
 2014/11/24 全面的に見直しました
側弯症の治療についてのページの作成は、思いのほか苦労しております。
ようやくある程度のレベルに達したと思いますが、今後も地道に完成度を上げて行こうと思っています。(12/14)
側弯症について、2014年の初頭より幾人かの方を治療しました。
その感触より、側弯症とは単なる背骨の湾曲を超えて、胴体を中心に首から肩、腕、、骨盤から脚、これら全てが複合して全身の歪みとして側弯を形成していることが判って来ました。
これらの、全身の歪みを一つずつ丁寧にリリースして行くことで、改善が可能です。

SUMMARY(要約) (2014/12/7、追加)
1、 側弯症は胸郭が歪み、捻れを伴って湾曲した疾病であり、この湾曲及び捻れは胸郭の部分が最大であり、同時に全身に及んでいる。
これらの歪み及び捻れは、個々の小さな歪みの集合としてシステム全体が構成され全身に及んでいるが、歪みを一つ一つ丁寧にリリースすることで治療が可能である。
2、 歪みは、パーツとパーツの接合部分、若しくはパーツそのもに発生している場合もある。
中心的な部位である、胸郭部分の歪みの主な構成要素を以下に挙げる。
・24個のパーツより構成されるの胸椎(12個の椎骨と12個の椎間板)
・3個のパーツにより構成される胸骨(胸骨柄、胸骨体、剣状突起)
・22箇所の肋間筋(肋骨と肋骨を上下に繋ぐ筋肉、部分的に強い歪みが発生している)
・24箇所の肋椎関節(関節は骨と骨の接合部分であり歪みが発生しやすい)
・14箇所の胸肋関節(同上)
・縦隔(心臓、大動脈、大静脈、食道、気管支、これらの集合体の総称)
・横隔膜(横隔膜そのものの歪み・癒着、剣状突起、肋骨及び腰椎との付着部の歪み)
3、 これらの総計は膨大な数になり、個々の要素一つ一つに歪みが存在し、トータルでシステムとして胸郭全体の歪み捻れ、側湾を構成している。そして、このシステムは、ループを形成することで、歪み捻れを保持する機能として作用している。
4、 個々の歪みがトータルとして胸郭の歪み捻れを形成することは、全身にも当てはまり、頭蓋、頚椎、腕、上記胸郭、腰椎、骨盤、脚、全ての歪みが関係して、全身でシステムを構成し、全身の歪み捻れを作り出している。同様に、これらはループを形成することで、全身で歪み捻れを保持する機能として作用している。
5、 個々の歪みには、それぞれ異なったテクニックを使用するが、全て治療可能である。
但し、治療効果を得る為には、全体と部分のバランスを考慮しながら個人個人で異なる歪みのパターンに合わせて、歪みの大きな部位からリリースを進める必要がある。
従い、治療には、高度な触診技術、構造把握能力、及び治療技術が要求される。
6、 これらの歪みは一般の患者にも存在するが、側弯症の特徴的な傾向として、部分的に特に強い歪みが存在し、身体を強く歪ませ、側弯症の症状を作り出している。
7、 側弯症の改善により、全身を使った歩行が可能になる。
更に、全身を使った歩行は、側弯症の進行を妨げる作用も期待できる。
8、 側弯症とは身体が強く歪んだ一つの特徴的なパターンであり、治療の考え方及びテクニックは、全ての身体の歪みの治療に応用可能である。
・以下本文になります、順を追ってもう少し詳しく丁寧に説明をすすめます。
尚、本文としましては、側弯症の中心となる胸部、及び、全身については症状に特徴的な部位に関して詳しくお伝えし、それ以外は 『 補足 』 としてページの後半でお伝えします。
1、側弯症について
側弯症とは、背骨が蛇行するように湾曲し、捻れた症状で、その程度は個人差が大きいですが、湾曲の角度がある一定のレベルより大きいと、外科的な手術を勧められるようです。
側弯症は、文字通り背骨が側弯しているのですが、一般的な症状は、側弯と同時に背骨を含む骨格に回転方向の捻れが発生しており、この捻れに伴って頚椎から胸郭全体、骨盤、まで歪んだ状態になっています。それに伴い肩甲骨の高さが左右で違っていたり、肋骨が部分的に飛び出していたり、骨盤の歪みから腰骨の高さが左右で違っていたり、色々なところに影響が出て来ます。
更に、肩甲骨の高さの違いは腕に影響を及ぼし、骨盤の歪みは脚に影響が及んでいたりします。
全身が歪んだり捻れたりすることで、歪みや捻れが、それ自体でそれを定着させる機能として作用している傾向があります。
側弯症の身体への影響ですが、側弯の程度にもよりますが、普段の生活には特段支障が無いケースも多い様です。
しかし、脊椎を含む骨格が3次元的に歪んでいるため、症状が進むと臓器への影響、特に心肺機能障害を起こす危険性があります。
また、腰椎や骨盤の歪みにより、腰痛を誘発するケースもあるようです。
治療としては、外科手術が一つの方法として推奨されるケースが多く、手術に踏み切るか否か、悩まれている方も多いようです。
2、胸部の構造について
胸部の構成について、側弯症を理解するために必要と思われる部分に絞ってお伝えします。
胸部を解剖学的にみると、骨格系として『 胸郭 』 があり、胸郭に支えられる形で、その周りに『 胸部組織 』 が付着し、胸部を構成しています。
また、骨格の中心である背骨は、上から頚椎、胸椎、腰椎、と3つに分れ、胸椎の部分が胸郭を支えています。
胸郭構造図
次に、胸郭の構造について説明します。(右図参照)
胸郭は、前側に 胸骨、左右両側方に 肋骨、後ろ側に 胸椎があり、胸骨と肋骨は『 胸肋関節 』、肋骨と胸椎は『 肋椎関節 』 と呼ばれる関節になっています。
(関節は、双方の頭文字により表示する場合が多いです)
更に、肋骨と肋骨の間には、『 肋間筋 』と呼ばれる筋肉があり、肋骨と肋骨を上下に繋いでいます。
この様に、胸郭は骨格で篭状に形成されてループを作っており、同時に肋間筋が肋骨と肋骨を繋ぐことで補強の役目を果たし、かなり強固な構造になっています。
そして、肋間筋、縦隔、肺、横隔膜、等々の『 胸部組織 』 が胸郭に付着する形で、胸部が形作られています。
・組織の歪みについて
側弯症の症状とは、一言でいえば、胸部を中心にした全身の歪みですが、先ず、『 歪み 』 について簡単に説明します。
人間の身体の歪みは、大きく2つに分けることが出来ます。
・1つは、パーツとパーツの継ぎ目の部分に発生し、その代表的な部位が関節です
関節は、骨と骨の端の接合部にあり、靭帯で包まれている場合と、繊維性の結合組織で直接繋がっている場合があります。両方ともこの部分に歪みが発生しやすく、歪みが発生すると可動範囲が狭くなったり、可動範囲の中心がズレたりします。
側弯症に関しては、胸肋関節や肋椎関節に歪みが発生し、胸郭の歪みとなります。
また、縦隔の歪みも、関節ではありませんがこの分類に相当します。
・もう1つは、パーツそのものに発生します
筋肉そのものに歪みが発生したり、骨そのものが歪むケースもあります。
側弯症に関しては、肋間筋や横隔膜の歪みがこの分類に相当します。
・胸部の歪みについて
側弯症の中心である胸部の歪みですが、通例、胸椎が左右に蛇行し、同時に胸郭全体が捻れる様に形成されています。
この歪みや捩れは、上記の色々な要素の歪みが相互に関係し、全体としてバランスをとり、歪みや捻れを固定化させる機能としても作用してしいます。
ですので、歪みや捻れは構造的に強固に保持され、普通のマッサージ等では殆ど効果が望めません。
しかし、細部に着目し、一つ一つを丁寧にリリースして行く事により、治療が可能になります。
ここで、以上を表にしてまとめます。
★胸郭を構成する主な要素
胸郭 胸椎 胸椎は12個の椎骨と、椎骨に挟まれている椎間板より構成されています
肋骨 椎骨の両側は、肋骨が左右に伸び、円弧を描いて前面で胸骨と合流しています
椎骨と肋骨の結合部分は、『 肋椎関節 』と呼ばれる関節になっています
肋骨は、片側に12本、左右合計24本あり、肋椎関節も24箇所あります
胸骨 胸部前面にあり長方形です、胸骨と肋骨の結合部分は、『 胸肋関節 』 と呼ばれています
下部の肋骨は合流しているため、胸肋関節は片側に7箇所、左右合計14箇所あります
胸骨は3つのパーツに別れ、下側の剣状突起周りに、特に歪みが蓄積しています
(胸椎、肋骨、胸骨、これらで胸郭が構成されています)
胸部
組織
胸郭上口 胸郭の上側を覆う膜組織があり、是靭帯とも呼ばれています
横隔膜 胸郭の下側に位置し、上下の動きにより呼吸を主導する筋肉です
肋間筋 肋骨と肋骨の間にある筋肉で、3層になっています
片側11箇所、両側で22箇所あり、歪みを溜め易い筋肉です 
縦隔 心臓、大動脈、大静脈、食道、気管支、の集合体の総称です
胸郭の中で左右にあり、右側は3つの、左側は2つの肺胞に分かれています
(上記が代表的な胸部組織になります)
3、胸郭の歪み、及び捻れ、これらの治療について
ここまで、胸部の構造について説明して来ました。
以上を踏まえて、実際の治療について説明します。
★胸郭の歪み、捻れ
胸郭の、主な歪み、捻れは、22箇所の肋間筋、24箇所の肋椎関節、14箇所の胸肋関節、これらに部分的な強い硬化が発生し、前後左右や上下でアンバランスとなることで発生しています。
そして、個々の歪みや捻れが相互に関係することで、全体の歪みや捻れが固定化されています。
言い換えると、部分的な強いアンバランスが全体としてバランスすることで、症状が保持されていると考えることも出来ます。
・1例として肋間筋の歪み、及びアプローチの概観についてお伝えします
胸部の歪み捻れを作り出している要素は無数にありますが、比較的理解し易いと思われる肋間筋の歪みから説明します。
肋間筋は、上下に隣り合う肋骨と肋骨の間にあり、自分で自分の肋間筋を触ってみる事も可能です。
触ったくらいでは判りませんが、この肋間筋は異なる3層の筋肉で構成されており、筋肉繊維の方向はそれぞれ異なり、呼吸時には複雑な動きにより胸郭を開いたり閉じたりしています。
側弯症の場合、ほぼ全てのケースで、この肋間筋が部分的に強く硬化していると考えられます。
筋肉が3層から構成されることで、特に硬化し易い要素を有しています。
ここで、胴体の柔軟性と言う観点から考えてみましょう。
この肋間筋は、肋骨と肋骨の間にあり、上下の肋骨を繋いでいます。
筋肉は本来ある程度の柔軟性を持ち、収縮可能ですが、滞りが発生すると硬くなる場合があります。
そして、筋肉が滞って硬くなると、筋肉そのものも収縮した状態に陥ってしまいます。
肋間筋に柔軟性があると、胸郭全体に柔軟性がありますが、滞りが発生し硬くなってしまうと、胸郭全体の柔軟性も失われてしまいます。
更に、部分的に強く硬くなると、その部分は肋間筋そのものも収縮した状態となり、胸郭全体に歪みや捻れが発生することになります。
以上が側弯症の胸郭の歪みの要素の一部となります。
そして、この肋間筋ですが、後述する私が考え出した方法により、リリースが可能です。
ただし、左右で22個所ありますので、全体をリリースするためには1箇所当たりにかかる時間の22倍の時間が必要になり、かなり大変で地味な作業となります。
一般の治療においても、例えば呼吸の改善のために必要に応じてアプローチすることはありますが、誰に対してでもアプローチする部位ではありません。
・次に、実際に肋間筋を治療した様子をお伝えします
さて、側弯症の治療として実際に肋間筋にアプローチしてみた感じですが、この肋間筋が、部位によって異様に硬くなっていたり、部位によってはその反対で力の無い感じで柔らくなっています。
特に側弯症の方に限らず、肋間筋の硬さにばらつきは普通に見られますが、側弯症の方のそれは、一味違うダイナミックな硬さとアンバランスを感じます。
そして、これらを丁寧に緩めて行く事により、側弯症は徐々に改善して行きます。
しかし、前述の通り(ダイナミックに)硬くなってしまった肋間筋を緩めるには、それなりの手間を要し、アンバランスが強い場合は、全体について複数回のアプローチが必要になる場合もあります。
テクニック的には、筋肉繊維の硬化や収縮の方向や程度を正確に掴み、物理的なアプローチ(幾つかあります)やエネルギー的なアプローチ(これも幾つかあります)を組み合わせ、更にアプローチのエリアをどの範囲に絞るか、等々を状況に応じて使い分けてリリースを進めます。
高度な触診技術と治療技術が要求されるアプローチです。
そして、この様にして肋間筋のリリースを行うと、改善の程度は個人差がありますが、側弯の症状は徐々に、しかし、確実に改善されます。
但し、あくまで側湾を構成している要素の1部分がリリースされただけで、歪みや硬化はまだまだありますが、胸郭の歪みや捻れが改善する効果は、実感して貰える場合が多いです。
★そして、この部分的に強く硬くなっている感じは、22箇所の肋間筋と同様に、24箇所の肋椎関節、14箇所の胸肋関節、にも当てはまります。
肋椎関節や胸肋関節につきましては肋間筋のリリースとは異なり、関節のリリースになりますが、また少し違ったテクニックが要求されます。
同時に、やはり、側弯症の方の場合、部分的にダイナミックに硬くなっているケースが多いです。
この部分のリリースにより側弯の症状は確実に改善されますが、やはりこれも側湾の要素の1部分のリリースに留まります。
因みに、これらの関節の微細なリリースは、頭蓋仙骨治療 のテクニックの応用になります。
頭蓋仙骨治療につきましては、そのページを参照して頂けるとご理解頂けると思いますが、確実に効果を出すためには、それなりのテクニックやセンスが要求されます。
(巷で提供されている頭蓋仙骨治療の多くは、リラクゼーションの域に留まっていると思われます)
以上、胸郭の代表的な要素を、部分に分けて、その構造及びリリースについて説明しました。
ここで再度まとめてみます。
側弯症の場合、胸郭は、肋間筋(22箇所)、肋椎関節(24箇所)、胸肋関節(14箇所)、これらは全体として60箇所( 22+24+14=60 )の要素になり、部分的な強い硬化(部分的なアンバランス)を起こし、歪みや捻れが発生していますが、全体としてはそれなりにバランスを保っています。
これらを、一つずつ丁寧にリリースして行くことで、側弯症は徐々に改善されて行きます。
以下、骨格系の前側(胸骨)、後ろ側(胸椎)、及び胸部組織について補足します。
(説明のために、胸部構造図を再掲示します)
★胸骨
胸の正面にある、長方形の骨で、この骨は上から、胸骨柄、胸骨体、剣状突起、と3つの部分に分かれ繊維性の結合組織で繋がっており、その接合部分は若干ですが可動性があります。
これらの接合部にも歪みが蓄積しており胸郭の歪みの1部分となっています。
胸郭の開放には、これらのリリースも必要になります。

胸部構造図
また、剣状突起の下端は横隔膜に繋がっていますが、横隔膜のこの辺りに強い歪みが溜まっていることがしばしばあります。
★胸椎そのものの歪みについて
胸郭の歪みについて前述しましたが、胸郭の軸に相当する胸椎そのものについても、同様に歪みと捻れがあります。
特に、胸椎の上部の第1肋骨にある左右の肋椎関節、胸椎の最下部の第12肋骨にある左右の肋椎関節に、歪みが集中しているケースが多いです。
これは、構造的に上記2箇所が不連続点になっており、応力集中による応力歪が蓄積し易いことに起因しています。
(すみません、当方元々機械設計者でしたので、ついつい専門用語が出てしまいます)
因みに、歪み的には外側から内側に向かってリリースして行く方法が効果的であり、この辺りのリリースは、ケースバイケースではありますが、治療としてはある程度改善が進んでからになります。
★胸部組織の歪みや捻れについて
骨格系と同時に、、胸部組織である縦隔や肺、横隔膜にも歪みや捻れが発生し、胸郭の歪み、捩れの1部分となっています。
・縦隔について
縦隔は、心臓、大動脈、大静脈、食道、気管支、の集合体の総称で、これらの組織は、身体の屈伸や捻り等に伴い、本来個々に位置関係をズレることで動けるものです。
しかし、これらの組織は、パーツとパーツの接合部分で軽い癒着を起こし易く、往々にして歪んだ状態で軽い癒着を起こし、胸郭の歪みを固定化する要素の1つとなってしまいます。
・肺について
肺は、肺胞と呼ばれる包みに分かれています。(右肺は3個、左肺は2個))
肺胞同士が癒着しているケースがあり、こうなると肺そのものが歪み、胸郭の歪みを固定化する要素の1つとなってしまいます。
・横隔膜について
横隔膜は、胸郭の下部の開口部を覆うように付着している筋肉で、胸郭の歪みは横隔膜と相互に関係しています。
そして、横隔膜の最前部は剣状突起に付着しており、側弯症の場合、横隔膜の剣状突起との付着部周りに強い歪みがあります。
また、横隔膜の最後部は脚と呼ばれて腰椎に付着しており、この部位も歪みが発生しやすい様です。
これらの歪みも胸郭の歪みを固定化する要素の1つとなっており、リリースが可能です。
これらのアプローチは全て異なり、やはり高度な触診技術と治療技術が要求されますが、これらを地道に行うことにより、少しづつですが、側弯症は確実に改善して行きます。
4、全身の歪み、捻れ、これらの治療について
前項で、胸部の歪み、捻れの治療について説明しました。
側弯症の治療において胸部はその中心になる部位ですが、個々の歪みが相互に関係し合い、胸部全体の歪みや捻れを構成していることをお伝えしました。
実は、これらの歪みや捻れは、全身についても同様な関係性を有しています。
但し、全身になりますと、胸部より関係性は薄くなって来ます。
これらの関係性の概略を表に現すと、以下のようになります。
頭部 骨格系 頭蓋骨、23個の骨片から構成されており、歪みが内在しています
この表の下にも簡単に記述していますが、詳しくは 頭蓋仙骨治療 を参照下さい
硬膜 頭蓋骨から脊柱までの内側にある膜組織
筋肉系 特に咀嚼に関わる筋肉(側頭筋、内側翼突筋、etc・・・)が関係
首から肩 骨格系 頚椎、鎖骨、肩甲骨、
筋肉系 首から肩周りの筋肉、主に肩甲挙筋、
★ 左右の肩の段違いには、肩甲挙筋へのアプローチが急所になります
骨格系 鎖骨の歪み、尺骨と撓骨の位置関係
胴体上部
( 胸椎 )
( 前述 ) ( 前述 )
胴体下部 骨格系 腰椎、骨盤、仙骨、股関節、
★左右の腰骨の段違いに、これらの骨格系・筋肉系へのアプローチは必須です
筋肉系 大腰筋、腰方形筋、多列筋、殿筋群、(書ききれません・・・)
内臓系 側弯症に関係する臓器は、腎臓が挙げられます
腎臓は相当に力のある臓器で、腎臓周りの歪みは胴体下部の歪みと繋がっています
歩き方にも影響があり、治療としては早い回でリリースを図ります
骨格系 大腿骨、脛の部分(脛骨、腓骨の歪み)、足(アーチの歪み)
筋肉系 内転筋群、腓骨筋、ヒラメ筋、アキレス腱、 
これらの、個々の問題につきましては、かなり細かくなります。
ここでは、側弯症の治療で急所となる以下の項目の説明にとどめ、他は補足としてこの項のページの下部にある、『 補足 > 全身の歪みについて 』 にて説明します。
・左右の肩甲骨の段差:肩甲挙筋
・胴体の歪みの急所:腎臓
・左右の肩甲骨の段差:肩甲挙筋
肩甲挙筋位置関係図
肩甲挙筋は、その名の通り肩甲骨を挙上する役割を担う筋肉で、上側は頚椎に下側は肩甲骨の上辺の内側に付着しています。
機能としては、筋肉が収縮することで、頚椎に対して肩甲骨を挙上します。
筋肉の骨格への付着部を固定側と可動側に分けた場合、頚椎との付着部が固定側になり、肩甲骨との付着部が可動側になります。
側弯症の場合、胸椎の歪みが側弯を構成するもっとも中心となる歪みの1つですが、胸椎と繋がっている頚椎にも歪みがあります。
この歪みが、頚椎と肩甲挙筋の付着部を歪ませ、肩甲挙筋の位置を変位させて、肩甲骨の左右の段差の原因になっています。
肩甲骨の左右の段差の原因は、肩甲挙筋以外にもありますが、肩甲挙筋のウェイトが最も大きいと思われます。
・治療について
先ず頚椎の歪みをリリースします。
この方法は、胸椎のリリースに準じ、やはり 頭蓋仙骨治療 の応用になります。
次に、頚椎と肩甲挙筋の付着部の歪みをリリースします。
リリースの方法ですが、単純に首のサイドをマッサージするような方法では、殆ど効果が出ません。
首のサイドから丁寧に触診し、筋肉の歪みを知覚して歪みの方向に合わせて徐々にリリースして行きます、治療技術に加えて、高度な触診技術が要求されます。
肩甲挙筋と肩甲骨の上辺の内側との付着部のリリースも行います。
尚、一連の上記アプローチは、首から肩にかけてのしつこい首凝りに対しても、とても有効なアプローチになります。
・胴体の歪みの急所:腎臓
腎臓はおへその両側の背中側にあり、かなり力のある、弾力性のある臓器で、背中側にはありますが、腹部正面より触診が可能で、健康な腎臓は若干ですがコリコリとした感触があります。
腎臓の周りには、後ろ側に腰方形筋、内側に大腰筋、上側に横隔膜、が付着しており、これらの付着部に歪みが発生し、その歪みが蓄積して胴体の歪み、捩れと繋がっています。
腎臓の場合、骨格の歪みにより腎臓と筋肉の付着部に歪が発生し、この付着部の歪みにより、側弯症が保持される感じです。
そして、腎臓は力のある臓器で、また左右でバランスをとって歪むため、保持する力もそれなりに強いものとなります。
実際、側弯症の治療の初回で、頭部を上方に軽くストレッチして身体全体の歪みの概略を診るのですが、腎臓周りに大きな制約を感じるケースが多いです。
側弯症の治療で初期の段階でアプローチすることが多いですが、この部分のリリースだけでも、側弯症が緩和されるケースが多いです。
5、側弯症と筋膜 ( 2016/5/24 追記 )
側弯症と筋膜の関係についても、述べておきます。
筋膜とは、読んで字の如く個々の筋肉を包み、同時に隣り合う他の筋肉との境界を作っている組織で解剖学的には結合組織と呼ばれています。
この筋膜ですが、色々な筋肉を横断する感じで全身の表層から深層までに張り巡らされています。
私の提供しているセッションの1つである、ロルフメソッド・プラス ではこの筋膜を中心の1つに据えてセッションを展開しています。
それに対して側弯症の場合、もう少しダイナミックに体幹に歪みが発生している感じで、筋膜に着目する必要性は少ない感じです。
ただ、骨盤に着目した場合、骨盤周りの筋膜である、大腿筋幕の開放は側弯症の治療にとっても役に立つ感じです。
6、歩行について
側弯症の場合、歩行時に骨盤や背中が殆ど動いていない方が多いです。
脊柱の側弯により軸が歪んでしまい、動けなくなっている感じです。
側弯症の改善に伴って、同時骨盤や脚に働きかけることで、歩く時に骨盤や背中が動くように促します
背中や骨盤が動くことで改善の効果の戻りが抑えられ、身体も活性化します。
私は、ストラクチュアルインテグレーション(SI、別名ロルフィング)において、歩き方の改善を中心テーマに置いていますので、これらのノウハウをフルに活かしたセッションを提供しています。
実際に、数十年動いていなかった骨盤や背中が動き出すケースが多いです。
歩き方や靴についても、アドヴァイスをさせて頂きますので、無理なくこの様な歩き方を身に付けることが出来ます。
 ・側弯症の進行について
側弯症につきましては、加齢により徐々に進行することを危惧されたいる方も多いようです。
前述の通り、最初に歩き方を見せて頂きますと、歩行時に骨盤や背中が殆ど動いておらず、脊柱の側弯により軸が歪んでしまい、動けなくなっている感じを受けます。
治療を続けますと、側弯症は徐々に改善されて行くケースが多いのですが、側弯症はまだまだ残っていましても、歩き方が改善されて骨盤や上半身に動きが出てくるケースが多いです。
以下は、私の感じですが、歩行時に骨盤や上半身に動きが出てくることで、側湾の進行も防げるのではないかと感じています。
因みに、骨盤や上半身に動きが出ますと、身体自身がその方が楽で快適ですので、戻ることは殆どありません。
(但し、本人が意識的に戻そうと意図した場合は、戻ると思われます)
 ・歩行時の身体の軸について
側弯症の治療におきましても、毎回歩き方を診せていただいていますが、治療を続けて行きますと、側弯症が徐々に改善されて行き、側弯の症状は残っていましても、ある時から、歩行時の身体に軸が現れて来ることがあります。
ここまで来ますと、本質的な意味で、改善は相当進んでいると思われます。
(歩行については、 ストラクチュアルインテグレーション > 歩行について も参照下さい)
7、他の治療への応用について
側弯症とは身体が強く歪んだ一つのパターンであり、これらの考え方、治療のテクニックは、色々な治療に応用可能です。
項目としては、以下のケースが一考して思い浮かびます。
・呼吸の浅いケースについて
・姿勢の改善について
・全身の柔軟性のアップ
・ヴォーカルのパフォーマンスアップ
・etc・・・・
以下、徐々に追記して行く予定です。
☆ セッションの受け方の説明は コチラ ☆
☆ セッションルームの場所(吉祥寺駅徒歩2分) ☆
ご質問、お問い合わせはお気軽に

以下、補足になります
T、 全身の歪み、捻れ、これらの治療について
側弯症は、その歪みや捻れが全身に渡っており、上記本文では胸部について詳しくお伝えしました。
これらの歪みや捻れは、全身についても同様な関係性を有しています。
但し、全身になりますと、胸部より関係性は薄くなって来ます。
以下、全身の各部分について、補足としてお伝えします。
説明にあたって、本文で掲示した表を以下に再掲示します。
頭部 骨格系 頭蓋骨、23個の骨片から構成されており、歪みが内在しています
この表の下にも簡単に記述していますが、詳しくは 頭蓋仙骨治療 を参照下さい
硬膜 頭蓋骨から脊柱までの内側にある膜組織
筋肉系 特に咀嚼に関わる筋肉(側頭筋、内側翼突筋、etc・・・)が関係
首から肩 骨格系 鎖骨、頚椎、肩甲骨、
★ 左右の肩の段違いに、これらの骨格系・筋肉系へのアプローチは必須です
筋肉系 首から肩周りの筋肉、主に肩甲挙筋、
骨格系 鎖骨の歪み、尺骨と撓骨の位置関係
胴体上部
( 胸椎 )
( 前述 ) ( 前述 )
胴体下部 骨格系 腰椎、骨盤、仙骨、股関節、
★左右の腰骨の段違いに、これらの骨格系・筋肉系へのアプローチは必須です
筋肉系 大腰筋、腰方形筋、多列筋、殿筋群、(書ききれません・・・)
内臓系 側弯症に関係する臓器は、腎臓が挙げられます
腎臓は相当に力のある臓器で、腎臓周りの歪みは胴体下部の歪みと繋がっています
歩き方にも影響があり、治療としては早い回でリリースを図ります
骨格系 大腿骨、脛の部分(脛骨、腓骨の歪み)、足(アーチの歪み)
筋肉系 内転筋群、腓骨筋、ヒラメ筋、アキレス腱、 
以下、順を追って説明します。
★ 頭部の歪みについて(骨格系)
前述したように、歪みは部分的なエリアに限定されず、構造的につながり広がっています。
ですので、胸椎の歪み、捻れは頚椎につながり、更に頭蓋骨にもつながっています。
側弯症の効果的な治療のためには、頭蓋仙骨治療 も有効なアプローチになります。
1例を挙げますと、胴体部の歪みや捻れをリリースしますと、同じパターンで頭蓋に歪みが発生するケ−スがありました。
具体的には、毎回右側の額が膨らむケースで、毎回セッションの最後に頭蓋のこの膨らんだ歪みをリリースしていました。
一般的に、歪みは上方に抜けて行く傾向があり、この様なケースは、頭蓋にも歪みがあり、上がって来た歪みをそこで留めている感じでした。
1セッションかけて、頭蓋全体の歪みをリリースすることで、この様な傾向は無くなりました。
★ 頭部の歪みについて(硬膜)
硬膜と呼ばれる、頭蓋骨から脊柱(背骨)、これらの骨格系の内側で脳と中枢神経を包んでいる膜組織で、この膜組織に歪みがあると、骨格を内側から歪ませる力が働いてしまいます。
この膜組織をもう少し詳しく説明しますと、頭蓋の部分では脳を包み、同時に内側に2重膜として入り込み、左脳、右脳、小脳を隔てる隔壁を構成しており、連続して下降し、硬膜管となって脊柱の中を通り、この中に中枢神経が入っています。
( 因みに、隔壁は2つのパーツからなり、大脳鎌及び小脳テントと呼ばれています、これらの構造については、 頭蓋仙骨治療 のページで詳しく説明しています )
元々膜組織は歪みを溜め易い性質がありますが、この隔壁の部分は特に歪みが蓄積されやすく、この歪みは脊柱の中にある硬膜管の歪みと繋がり、脊柱を内側から歪ませていることになります。
ですので側弯症の治療としては、頭蓋及び硬膜管のリースは、とても重要だと考えています。
因みに、硬膜のリリースですが、私の場合はエネルギー的にも物理的にも可能で、ケースバイケースで使い分けて施術を行っています。
硬膜管、及び隔壁の構造につきましても、イラスト入りで詳しく説明しています。
頭蓋仙骨治療は私のセッションの中でも中心的な位置づけで、ハイレベルな施術を提供できると自負しています。
★ 首から肩について
首から肩につきましては、肩甲挙筋の要素が大きいです。
肩甲挙筋につきましては、本文中に詳述していますので、そちらを参照ください。
ここでは、鎖骨について以下に説明します。
鎖骨について
鎖骨と肩甲骨の継ぎ目の関節(肩鎖関節)に歪みが蓄積しているケースがあります。
肩鎖関節は、鎖骨と肩甲骨を繊維性の結合組織で繋いでいる関節ですが、関節の周りのサポートがとても少ない関節で、その為か繊維性の結合組織はかなり丈夫に出来ています。
逆に言いますと、この部分に歪みが溜まるとそれなりに大きな制約になります。
同時に、この部分のしっかりしたリリースはかなり丁寧に時間がかかります。
 (例によって、それなりの治療であれば、誰でもそれなりに可能です・・・・)
★ 腕の歪みについて
書きかけです、スミマセン
★ 左右の腰骨の段違いについて
腰骨の左右の段違いも、左右の肩甲骨の段違いと並んで、側弯症で見られる所見の中で、最も顕著な事例の一つでしょう。
この問題は、腰椎の歪みと、それに繋がっている仙骨、及び骨盤の歪みから来ています。
 ・腰椎から仙骨にかけて
腰椎は5つの椎骨と椎間板より構成されていおり、腰椎そのもに歪みが蓄積している場合があります。
必要に応じてリリースを図ります。
特に、腰椎5番と仙骨の繋ぎ目の関節は、『 腰仙関節 』 と呼ばれ、私の場合、腰痛の治療には必須の部位ですが、側弯症の治療においても、必須の部位になります
 ・仙骨の歪みについて
仙骨は元々5個の椎骨が癒合して一塊となり仙骨が出来上がっています。
この為、硬さが均一ではなく、歪みが蓄積し易い部分です。
仙骨は骨盤の中心と同時に脊柱の土台でもあり、仙骨に歪みは身体全体の歪みと関係している場合が多いです。
側弯症の治療としては、ここも是非アプローチしておきたい部位です。
 ・殿筋について
臀部は多種多様の殿筋により構成されており、ストラクチュアルインテグレーション の場合、殿筋はかなり丁寧にリリースを図ります。
側弯症の治療としてみると、骨盤の場合、骨格調整のプライオリティが高く、殿筋の調整のプライオリティは若干低くなります。
しかし、股関節の調整を行う場合、事前に双子筋のリリースが必要になるケースが多いです。
必要に応じてリリースを図りますが、梨状筋、双子筋、大腿方形筋、辺りは必須の感じです。
★ 腎臓と筋肉の付着部
腎臓と筋肉の付着部につきましては、本文に詳述しています、そちらを参照ください。
★ 脚の歪みのリリース
側弯症に限らず、身体の不調が脚の歪から来ているケースは多いです。
側弯症の場合の、脚の歪みとの関係を考察しますと、胴体の歪みと脚の歪みが構造的に関係しあい、相互に歪みや捻れを固定化しあっている感じです。
ですので、脚の歪みのリリースはとても重要です。
 ・脚の歪みについて
脚の歪みは、殆どの場合、脛にある2本の骨(脛骨と腓骨)が本来の位置からズレる事で起こります。
そして脛骨と腓骨の位置のズレにより、足の内アーチと外アーチも本来の位置からズレてしまい、これらの歪みは脚全体の歪みとなり、骨盤の歪みの元となり、全身の歪みと繋がっています。
具体的な治療は、脛の部分の脛骨と腓骨を繋いでいる骨間膜と呼ばれる膜組織のリリースを行い、次いで足の内アーチと外アーチの境界をリリースします。
これらのアプローチは、先ず最初にエネルギー的なアプローチにより組織の繊維性の歪みをリリースし、次に物理的なアプローチにより骨格系である脛骨と腓骨の位置を修正します。
エネルギー的なアプローチで繊維性の歪みをのリリースを行っていますと、このアプローチが脊柱や頭蓋にも影響し、徐々に緩んで行くのが感じられます。
この感覚に従って、脚へのアプローチを更に微妙に調整することで、より効果的に脊柱や頭蓋の緊張がリリースされます。
尚、脚の歪みについては、脚の治療 (現在書きかけです、スミマセン)にも説明しています。
 ・足の歪みについて
足の場合は、内アーチと外アーチの調整になるのですが、もう少し詳しく説明します。
人間が立ったり歩いたりしている場合、身体全体を踵で支えています。
構造的には、踵の骨は、踵骨と呼ばれ、その上に距骨と呼ばれる骨が位置し、その上が足首になります。
この時、距骨は前述の内アーチの1部分であり、踵骨は外アーチの1部分になります。
ですので、内アーチと外アーチの調整とは、距骨と踵骨の調整でもある訳です。
これらの脚の調整は、『 脚を調整したら側弯症が改善される 』 と言うものでは無いかも知れませんが、脚を調整してコンディションを整えておかないと、胴体を調整しても限界がある感じがしています。
一般の治療としては、脚の歪みをリリースで頭蓋が緩んだり、胸郭が開いて呼吸が深く変化することはしばしば見受けられます。