ロルフメソッド・プラス:概説 、そのレシピについて
 見直しして1部追記しました ( 2016/5/31 )
通例ロルフメソッドで多用される『 ティッシュワーク 』 と呼ばれる施術方法に対して、 頭蓋仙骨治療
(クレニオ・セークラル・セラピー)で使われる『 間接法 』 と呼ばれる方法を使い、『 ロルフメソッド・プラス 』 として10回の内容を再構成しています。
ロルフメソッドの初回から最終回までの基本的な流れ、哲学等は変わりませんが、施術方法の違いにより所要時間が変わってきますので、全体の回数は多くなります。
従来のロルフメソッドに対して、より明確な構造的な変化、効果の持続性を意図しています。
1、ロルフメソッド・プラスのレシピ
ロルフメソッド・プラスの全体の構成を、オリジナル・ロルフメソッドとの対比して以下に示します。
オリジナル・ロルフメソッド(注1)
主なテクニック:『 ティッシュワーク 』コメント1
ロルフメソッド・プラス(注2)
主なテクニック:『 間接法 』コメント1
回数 アプローチの中心となる部位 回数 アプローチの中心となる部位
1セッション
コメント2
鎖骨胸筋筋膜
胸腰筋膜
大腿筋膜
1S−1 浅胸筋膜
大腿筋膜T
胸腰筋膜T(背部、浅層)
1S−2 下腿筋膜コメント3
筋支帯
鎖骨胸筋筋膜T
大腿筋膜U
1S−3 鎖骨胸筋筋膜U
胸腰筋膜U(側部、浅層)
大腿筋膜V
2セッション 2S−1 左右脛腓骨間膜
胸腰筋膜(背部、深層)
2S−2 個別調整
3セッション 左右12肋骨、腰方形筋 3S 腰方形筋、腸腰靭帯
4セッション 左右内転筋、ハムストリング 4S 左右内転筋、ハムストリング
5セッション 腹直筋
大腰筋
5S−1 腹直筋
上前腸骨棘
5S−2 大腰筋
腸骨筋
6セッション ハムストリング、梨状筋 6S−1 仙腸関節
6S−2 ハムストリング、梨状筋
7セッション 頭部を身体の中心に乗せる 7S−1 胸鎖乳突筋
斜角筋
頚長筋
頚椎と後頭骨の関節
胸椎と頚椎の関節コメント4
7S−2 蝶形骨(頭蓋仙骨治療)コメント5
7S−3 脊柱の開放
8セッション 下半身の統合 8S 大腿筋膜深層、コメント6
9セッション 上半身の統合 9S−1 菱形筋、大円筋、上腕3頭筋
その他、
コメント6
9S−2
10セッション 全身の統合 10S 全身の表層筋膜(再度)コメント7
合計10回   ---------- 合計18回前後
(注3)
  ----------
(注1) オリジナル・ロルフメソッドで示した内容は、ピーター・メルキュア師の提示した内容によります。
(注2) ロルフメソッド・プラスとして示した内容は1例であり、ケースによって施術しない部位もあります。
必要に応じて表以外の部位にも施術を行い、施術の順番を前後して進める場合もあります。
また、本表は固定したものではありません、必要に応じて更新される性格のものです。
(注3) 合計回数は参考値になります、各々の課題をきちんとこなす事を優先しますので、増減があります。
回数を重視する方は、他のプラクティショナーをご検討下さい。( 極端に増えることはありません )
(注4) 途中で終了しますと、アンバランスの状態が残る可能性があります。
区切りとしては、1S−3 終了時ですと、アンバランスは少ないと考えます。
(注5) 効果に対する感じ方は個人差があり、この個人差はかなり大きいことをご承知おき下さい。
(コメント1)、『 ティッシュワーク 』 と 『 間接法 』 の違い
私が、GSI の『 ベーシック・プラクティショナー・トレーニング 』 でピーター・メルキュアから習った筋膜に対するアプローチは『 ティッシュワーク 』 と呼ばれる方法が中心でした。
このティッシュワークとは、筋膜マッサージとして使われるテクニックで、筋膜の繊維性の結合組織に対して、アイロン掛けの様な感じで片側から押し伸ばすようにして歪みを開放して行く方法です。
それに対して、頭蓋仙骨治療 で使われている『 間接法 』 は、繊維性の結合組織に対して、対象となるエリアの両側にコンタクトしてその繊維の歪みの方向を掴み、両側から押し引きにより歪みがリリースされる方向に軽い圧をかけて、リリースを促す方法です。
これらのテクニックはそれぞれ一長一短があり、使い分けることで、より大きな効果が得られます。
私の感じとしては、筋膜及び筋肉繊維の歪みをリリースする為には、大体において、間接法の方が効果的だと思いますが、深層の結合組織のリリースには、間接法の方が圧倒的に効果的な感じです。
そうは言いましても、ケースによってはティッシュワークも必要になる感じです。
これ以外に、間接法の方が効果の持続性は高い感じですが、同じ部位へのアプローチとしては、ティッシュワークよりも時間がかかります。
因みに、間接法の場合、結合組織の歪みの方向を正確に掴む触診技術が要求されます。
(コメント2)、第1セッション
10回のセッションの初回が第1セッションとなりますが、ピーター・メルキュアは、『 第1セッションは、鎖骨胸筋筋膜、胸腰筋膜、大腿筋膜、この3つの筋膜に対して、表層に留まり、深層には入らずにアプローチしなさい 』 と伝えています。これらの筋膜の歪みを、深層に入ること無しに正確にリリースする為には、ティッシュワークよりも、間接法の方が適していると感じられます。
しかし、間接法を多用した場合、ある程度のレベル(次のステップに手渡すことが出来るレベル)までリリースする為にはそれなりに時間を要します。
この為、オリジナル・ロルフメソッドでは、第1セッションとして1回のセッションで行う内容を、ロルフメソッド・プラスでは3回かけて行い、次のステップに進みます。
第1セッションの課題に対して、ある程度のレベルまでのリリースを行っておくことは、第2セッション以降をスムーズ行う為の重要なポイントになります。
また、ロルフメソッド・プラスの、1S−1、1S−2、1S−3、の3回のセッションは、オリジナル・ロルフメソッドの、1S、2S、3S、と相似形、もしくは、入れ子構造になっています。
これは、最初から相似形をイメージしていた訳では無く、最も無理なく表層筋膜をを開放する手順を模索して結果的にそうなったのですが、この入れ子構造に気がついた瞬間、改めてオリジナルレシピの完成度の高さに思いを馳せる感じでした。
(コメント3)、下腿筋膜 ( ロルフメソッド・プラス、1S-2 でアプローチします )
人間の身体の皮膚の内側は、表層筋膜と呼ばれる筋膜で全身が覆われており、更に表層筋膜はその部位により名称が変わって来ます。
大雑把に言いますと、胸郭の部分を浅胸筋膜 、胴体を胸腰筋膜 、骨盤周りを大腿筋膜 、と呼び、膝から足の指先までを『 下腿筋膜 』 と呼んでいます。
第1セッションのテーマは表層筋膜の開放であり、下腿筋膜へのアプローチは第1セッションの範疇に入ると思われますが、ピーターの提示したオリジナル・ロルフメソッドでは入っていませんでした。
しかし、対象となる、浅胸筋膜、胸腰筋膜、大腿筋膜、等々の表層筋膜をある程度のレベルまでリリースすると、連続して表層を構成している下腿筋膜のリリースは、どうしても必要になる感じです。
また、下腿筋幕のリリースは足の指の可動性を改善し、この効果は歩き方に直接関係する為、効果は全身に波及すると思われます。
(コメント4)、胸椎と頚椎の継ぎ目: C7T1 (ロルフ・プラス、7S-1)
第7セッションのテーマは、『 頭部を身体の中心に乗せる 』 ことであり、ロルフメソッドの最も重要なテーマの1つです。
ロルフメソッドは、ストラクチュアル・インテグレーション(構造統合)とも呼ばれ、頭部を身体の中心に乗せることは、『 これぞ構造統合 』 と言う感じがします。
通例、頭部は身体の中心軸に対して前方に変位しています。
言い換えると、頭部は身体の中心から前方にズレています。
従い、『 頭部を身体の中心に乗せる 』とは、このズレを修正することであり、『 胴体に対する首の角度を起こす 』 とも表現出来ます。
この為には、図に示した、『 胸椎と頚椎の継ぎ目: C7T1』の開放が急所となりますが、ここだけでズレが解消される訳ではありません。
そして、ここで2つの問題が浮かび上がります。
1、どの様なテクニックを使えば、C7T1の開放が可能か?
この問題は、ロルフメソッドを超えて、色々な手技療法に共通するテーマだと思われます。
私は、頭蓋仙骨治療 を応用して、独自に工夫した方法でC7T1の開放を行っています。
2、C7T1が開放されたとして、他には何が必要か?
実は、『 首の角度を起こす為に、1セッションから6セッションまでの色々なアプローチがステップとして順を追って構造的に構成されている 』 この様に見ることが出来るのです。
このことは、1〜6セッションで、このような意図を認識した上で施術を行うことが、ロルフメソッドをより効果的に行うための1つのだと考えています。
最も顕著にこの意図が反映されている例として、第5セッションで行う 腹直筋の開放 があります。
腹部前面が縮んでいると、その縮みに引っ張られて、頭部は後方に変位出来ません。
AO関節 (ロルフ・プラス、7S-1)についても、この部分が開放されていないと、やはり頭部は後方に変位出来ません。
この様な感じで、ロルフメソッドは全体が構造的に明確な意図をもって構成されており、この様な構造的意図を認識した上で、ステップを1つ1つクリアーにして行くことは、個々のアプローチを超えたクリエイティブな作業だと感じられます。
(コメント5)、蝶形骨(頭蓋仙骨治療) (ロルフメソッド・プラス、7S-2 でアプローチします)
上記流れとして、頭部が後方に変位する為には、頭部前方の開放も必要になります。
具体的には、上顎部、及び蝶形骨等の開放が必要になり、これらの開放の為には、頭蓋仙骨治療
(クレニオ・セークラル・セラピー)をハイレベルで行える技量が必要になります。
(コメント6)、上半身と下半身の統合のセッション (ロルフメソッド・プラス、8、9 S)
第8、第9セッションは統合のセッションになります。
第8セッションは下半身の統合、第9セッションは上半身の統合になります。
では、ロルフメソッドにおける統合とは何かと言いますと、私は以下のように捉えています。
 ・ 胴体が脚と腕から開放されて自由になること
 ・ 脚と腕が胴体から開放されて自由になること
 ・ 更に、頭部と胴体もお互いに自由になること
この為のキーポイントは、下半身ですと大腿筋膜の深層までの開放になります。
下半身はパワフルではありますがそれなりのシンプルさがあるのに対して、上半身は色々な筋肉が縦横に走っており、もう少し複雑になります。
その為、第8セッションは1回を想定していますが、第9セッションは、菱形筋、大円筋、上腕3頭筋を中心にアプローチしますが、2回を想定しています。
女性に多い、肩先が内側に入っている症状に対しても、継続した効果が見込めます。
(コメント7)、再度の全身の表層筋膜 (ロルフメソッド・プラス、10 S)
ここまで、色々な部位に対して働きかけを行って来ました。
最後のセッションで全身のバランスを取り直しますが、アプローチ自体は再度の表層筋膜へのアプローチを行い、これでフィニッシュとなります。
筋膜は色々な筋肉を横断する形で表層から深層までつながっています。
例えば大腿部の表層筋膜(大腿筋膜)は、仙骨の前側の骨膜まで繋がっており、大腿筋膜にアプローチすることで、仙骨の骨膜に働きかけることも出来るのです。
表層筋膜にアプローチしてその歪みをリリースすること、それ自体は第1セッションと同じ様に見えますが、初期の頃のセッションではどちらかと言うと表層のリリースを意図し、最終のセッションは深層を含む全体的なリリースを意図しています。
2、ストラクチュアルインテグレーション(構造統合)、統合の意味
ロルフメソッドは、その創始者のアイダ・ロルフ女史により『 ストラクチュアル・インテグレーション(構造統合)』 と名づけられていました。
要するに、10回のセッションで、クライアントの身体を統合された状態に誘う訳です。
ロルフメソッド・プラスとして、レシピを再度詳細に追いかけてみて感じたことがありました。
統合された状態に誘うための処方箋である、『 レシピ 』 その構成そのものも、
相似形のように、統合された構造的な美しさを有している
これは、考えてみれば大いに考えられることで、
『 統合された状態に導く方法自体も統合されていてしかるべきである 』 と言う事なのかも知れません。
(本稿、書きかけです)
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