ロルフメソッド・プラス
 見直しました ( 2016/6/14 )
アイダロルフ女史は、ロルフメソッドとして全身の統合・開放を目指すボディワークを創りました
レシピとして残された課題を順次クリアーして行くことで、セッションを進めます
この課題を、色々な制約を排してストイックに追い求めて行くとどうなるのだろうか?
アイダロルフが理想として追い求めた身体統合の形が、眼前に現れて来ます
1、ロルフメソッド・プラスとは?
ロルフメソッドは、10 回のセッションにより全身の統合を図るボディワークです。
アメリカ人で生化学者のアイダロルフ博士(女史)が、1950年ごろにその概念を形作りました。
各々のセッションは、『 レシピ 』 と呼ばれる施術の手順をガイドにして、全身の色々な部位に順次アプローチを行い、歪みや滞りを解消して行くことで、全身の統合を図ります。
また、『 ロルフメソッド 』 と言う呼び名は、『 ロルフ博士が作ったメソッド 』 と言う意味で、ロルフ博士自身は『 ストラクチュアル・インテグレーション(構造統合)』 と呼んでいました。
ロルフ博士は身体を構造的に捉え、その統合を意図していたことが伺えます。
( 名称については、ロルフ博士の愛称から、ロルフィングと呼ばれていることも多いです )
そして、このレシピは、非常に良く考えられていて、表層から深層へ、上下を交互に、等々の色々な角度から異なるエリアに順次アプローチを行うことにより、10回のセッションでバランスよく全身の統合が得られる様に構成されています。
これがロルフメソッドの哲学に相当する部分になります。
アイダロルフが希求した統合の形は、果たして具現化されているのだろうか?
セッションでは、通例、『 ティッシュワーク 』 と呼ばれる手技が使われますが、テクニカル的に見た場合、歪みや滞りをより確実にリリースする為には、ティッシュワークでは不十分だと考えます。
ロルフメソッド・プラスでは、ティッシュワークにプラスして、頭蓋仙骨治療 (クレニオセークラルセラピー)で使われる『 間接法 』 と呼ばれる手技をメインに用いてセッションを進めます。
これにより、アイダロルフが希求した身体統合の形が、よりシャープな形で眼前に現れて来ます。
2、ロルフメソッド・プラス 考案の経緯
私は1999年の秋に、吉祥寺でロルフメソッドのプラクティショナーとしてキャリアをスタートさせました。
そして、2001年の秋に GSI の『 ベーシック・プラクティショナー・トレーニング 』 を受講し、ロルフ博士の残したロルフメソッドについて、より正統的なトレーニングを受けました。
その時の講師ピーター・メルキュア師は、ロルフ博士が最初に養成した5人のインストラクターの中の1人であり、『 ロルフメソッドの達人 』 と呼ばれる人でした。
2001年当時はロルフメソッド専業の感じでしたが、徐々に頭蓋仙骨治療とかその他の治療の比重が高くなりつつありましたが、2015年の年明けに大きな発見がありました。
それは、当時の『 ベーシック・プラクティショナー・トレーニング 』 の資料の見直しでした。
コース自体は5週間に渡る長丁場のトレーニングで、ピーターの『 私はここにアイダロルフを再現する 』 との宣言の元にスタートし、ピーターのアイダに対する敬愛と尊敬に溢れた、感動的なものでした。
ピーター自身、全力投球の素晴らしいコースでしたが、内容は豊富で多岐に渡り、当時の私はコースについて行くだけで精一杯で、その意図や真意が理解不能な部分も多々ありました。
今回、資料を詳細にチェックしてみて、『 そうだったのか!!!』 と膝を打つ部分続出、改めてピーターのトレーニングコースは、手技療法のインスピレーションが満載された、謂わば宝の山に例えられることを痛感しました。
同時に、幾つかの疑問も沸いて来ました。
最も大きな疑問は、初回のセッションにおける、表層筋膜のリリースについてです。
ロルフメソッドの1回目は、表層筋膜と呼ばれる筋膜組織の開放で、ピーターは、『 1回目のセッションは、鎖骨胸筋筋膜、胸腰筋膜、大腿筋膜、この3つの筋膜にアプローチしなさい、そしてそのアプローチは、深層には入らずに表層に留まりなさい。 』 と教えていました。
そしてそこでは、指先や肘で筋膜にタッチして刺激を与えたり、『 ティッシュワーク 』 と呼ばれる指先や肘を使って筋膜や筋肉を押し伸ばす感じの手技が、使われていました。
しかし今の私の視点から見ると、表層筋膜のリリースには、指先や肘での刺激やティッシュワークが最適とは思えず、頭蓋仙骨治療で使用される『 間接法 』 と呼ばれている方法を用いた方が、より確実な効果が得られる気がしました。
そこで、実験的に間接法を用いた施術を行うと同時に私も受けてみますと、この方が時間は要しますが、効果的且つ確実に歪みがリリース出来る感触が得られたのです。
3、ティッシュワークと間接法、それぞれのアプローチの方法、違いについて
先ず、ここでのアプローチの対象になっている筋膜について、簡単に説明します。
筋膜は、解剖学的には繊維性結合組織とも呼ばれ、個々の筋肉を包んでいる組織で、同時に個々の筋肉を経由する形で全身に繋がり、全身を包み込んでいます。
また、繊維性結合組織は、筋肉における筋膜に留まらず、内臓については間膜、骨については骨膜として存在しています。
そして、筋膜、間膜、骨膜は、同種の組織として合流し表層から深層まで包むように存在しています。
私が従来のテクニックとして習ったティッシュワークは、これらの繊維性結合組織に対して、指先や拳、肘を使い、繊維を捉えて片側から押し伸ばすようなアプローチで歪みや滞りの開放を目指します。
それに対して間接法は、対象となるエリアの両側に、左右の指先や拳、肘でコンタクトし、相対的に歪みがほぐれる方向に押し引きで軽い圧を加え、歪みや滞りの開放を促すアプローチになります。
効果としては、確実に間接法の方が上の感じで、同時に受け手の物理的負担も少なく、施術の効果もより持続する感じでした。
また、ティッシュワークにつきましては、どちらかと言いますと、表層筋膜の開放は可能ですが、深層の繊維性結合組織の開放には制約がある感じです。
この為、ピーターは、深層の繊維性結合組織の開放に関しては、指先や拳、肘でタッチして刺激を与えることでアプローチしていたと考えられます。
それに対して間接法では、両側より相対的な押し引きでアプローチするため、深層の繊維性結合組織に対しても、効果的なアプローチが可能になります。
ただ、いずれの方法を採るにしても、深層の繊維性結合組織に対してはかなりの高度な指先の感覚は要求される感じです。
以上は、繊維性結合組織に対してのアプローチですが、ロルフメソッドでは回が進むと筋肉そのものへのアプローチも必要になります。
ここでも、ティッシュワークを使う事も可能ですが、やはり間接法を用いることが出来ます。
両方を比較してみますと、やはり間接法の方がメリットが多い感じです。
そこで10回のセッションに間接法を取り入れて、実験的に色々と施術を試みたところ、各回の効果や意図、身体の統合に向けてステップを一段一段上って行く過程がよりハッキリと感じられ、改めて10回のセッション全体での意味や意図、その構造を再確認することが出来ました。
まさに、ロルフメソッドの哲学、アイダロルフの希求した心身の統合の形が、眼前に具体的な形として現れる感じでした。
間接法のデメリットについて
以上お伝えした限りでは、間接法は良いことづくめの様に感じられるかも知れませんが大きなデメリットがあります。
それは、ティッシュワークに比べて時間がかかるのです。( 費用にはね返ります )
ですので、詳細は次項でお伝えしますが、全体の回数は増えてしまいます。
4、ロルフメソッドのゴール
これらの結果、10回の中で最も重要なセッションは7回目のセッションであり、ロルフメソッドの最終的なゴールの大きな要素は、7回目のセッションのテーマでもある、『 頭を身体のセンターラインに乗せる 』 であること、このゴールの為に1回から6回までのセッションが構造的に形作られていることが改めて解って来ました。
また、ストラクチュアル・インテグレーション(構造統合)と言う観点から観ると、構造統合を疎外してしまう一番の要因は、頭がセンターラインに乗っていないことのように感じられました。
但し、頭をセンターラインに乗せる為には、胸椎や頚椎、更に頭蓋の開放も必要な感じで、この辺りは 頭蓋仙骨治療 (クレニオ・セークラル・セラピー)のテクニックが(かなりハイレベルで)必要な事も判って来ました。
また、上記以外の統合の要素としては、胴体が脚と腕から来る制約より開放されており、同時に脚と腕が胴体による制約から開放されている事だと思われます。
そしてこれが具現化される為には、頭部が身体のセンターライン上に乗っていることが要求されます。
これらにより、胴体は脊柱が無理の無いS字カーブを実現可能となり、脚と腕は自由に機能することが可能となり、同時に胴体に制約を与えることが無くなる、これらの具現化の為に、8回目のセッションで脚に、9回目のセッションで腕にアプローチします。
改めて頭部については、頭部が身体のセンターラインに乗ることにより、胴体が頭部から自由になり、頭部も胴体から自由になります。
同時に、間接法でのアプローチはティッシュワークに比べて時間を要するため、従来のロルフメソッドそのままのレシピで間接法を中心にしてセッションを進めることは、不可能です。
そこで、『 ロルフメソッド・プラス 』 と名前をつけて、新しいレシピを構成しました。
以下、よろしければ『 ロルフメソッド・プラス概説 』 のページにお進み下さい。
従来のロルフメソッドをオリジナル・ロルフメソッドとし、オリジナルの内容とロルフメソッド・プラスの内容を表を使って対比し、簡潔にお伝えしています。